コバヤシアセットマネージメント > K-amジャーナル > (No.245) ここから何を学ぶ? GPIFに見る資産分散と運用実績
(2020.11.9)
⇒ GPIFの第2四半期実績は、約4兆9200億円、3.05%
⇒ 4資産別収益率は、国内債券0.2%、外国債券0.6%、国内株式4.9%、外国株式6.0%
⇒ 20年通年予想は、国内債券-0.3%、外国債券4.1%、国内株式16.4%、外国株式27.2%、
加重平均全体で11.6%を予想
⇒ 自分の資産配分と比較 国内債券の比率は落して良し
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
1. GPIFの方針と実績を指標として、自分の投資の見直しに活用しよう
自分で投資をしていると、自らの投資方針が適切かどうかの判断に迷う事はないだろうか。
指標として良い材料がある。GPIFの投資方針とその運用結果を検証することだ。
GPIFは世界最大の機関投資家だ。そして、四半期ごとに詳細に運用方針と運用実績を報告してくれる。
GPIFの資産の構成割合(アセットアロケーション)は、基本的に国内株式・債券、外国株式・債券の
4分野にそれぞれ25%を配分することとなっている。(実際には1~2%の乖離がある)
その結果の運用実績として、2020年第2四半期の収益として3.05%のプラスと公表された。
GPIFの4つの分野の収益率とリスクと、自らの収益率・リスクと比較することにより、自らの配分方針を
確認にすることにより、これからの自らの投資方針を見直す機会とする事が出来る。
2. GPIFの運用実績
年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は、2020年度第2四半期の運用状況を公表した。
7月―9月の運用実績は新型コロナの影響で経済活動の一部が制限されていることもある中で
景気刺激策や金融政策の継続により、期間収益率は+3.05%、額として+4兆9,237億円となり、
運用資金額は9月末で、167兆5,358億円となった。
2-1 運用全体
(以下の表・資料はGPIF2020年第2四半期運用実績より)
4分野の構成比率はそれぞれ約25%で、1~2%の差異はある。
この比率は、2020年4月からの配分変更にされた結果となっている。
それ以前は、2014年10月に国内債券35%、外国債券15%としていた。しかし国内の債券利率がマイナス金利の
状態となっている状況下では収益への貢献は難しい。
そこで、本年3月の決定で、国内債券を35%⇒25%、外国債券を15%⇒25%に変更した経緯がある。
2-2 資産の配分
3. 資産別収益率
GPIF資料による4分散収益率(%)は次のようになっている。
この表から見ても、国内債券の収益率はマイナス金利下において、収益を求める事が無理であり収益面から考慮すれば
25%の比率をもっと下げて、外国債券と内外株式に傾斜させても良いのではないか。
(了)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
© 2019-2020 小林治行(コバヤシ アセットマネージメント)
本情報は当所の業務内容に掛かる投資情報の提供であり、記載されている情報は、予告なく内容を変更する場合が
あります。
投資に関する最終判断は、ご自身の判断と責任において行って下さい。
【金融商品取引法第37条(広告等の規制)に掛かる留意事項】
商号等 小林 治行 (コバヤシ アセットマネージメント)
所長 小林 治行
投資助言業 関東財務局長〈金商〉第2841号
加入協会 一般社団法人 日本投資顧問業協会
手数料等
投資助言の契約の前には、「投資顧問契約の契約締結前交付書面」を良くお読み頂き、ご納得のうえご契約頂きます。
報酬等は「投資顧問契約の契約締結前交付書面」又は、ホームページの投資助言業のページをよくご覧ください。
投資リスクについて
1. 株式
価格変動リスク: 株価の変動により投資元本を割り込むことがあります。
また、株式発行者の経営・財務状況の変化及びそれらに関する外部評価の変動等により、投資元本を割り込んだり、
その全額を失うことがあります。
株式発行者の信用リスク:市場環境の変化、株式発行者の経営・財務状況の変化及びそれらに関する外部評価の
変化等により売買に支障を来たし、換金できないリスクがあります(流動性リスク)。この結果、投資元本を割り
込むことがあります。
2. 債券
価格変動リスク: 債券の価格は、金利変動等により上下しますので、投資元本を割り込むことがあります。
また、債券発行者の経営・財務状況の変化及びそれらに関する外部評価の変化等により、投資元本を割り込んだり、
その全額を失うことがあります。一方、債券によっては、期限前に償還されることがあり、これによって投資元本を
割り込むことがあります。
債券発行者の信用リスク:市場環境の変化、債券発行者の経営・財務状況の変化及びそれらに 関する外部評価の
変化等により売買に支障を来たし、換金できないリスクがあります(流動性リスク)。この結果、投資元本を割り
込むことがあります。
3. 外国株式・外国債券
為替変動リスク:外国株式や外国債券等の外貨建て金融商品では、為替の変動により投資元本を割り込むことが
あります。
4. 外貨建て証券
為替変動リスク:投資対象が外貨建て証券(例えば海外市場に上場にしている株式、外国政府・公的機関・企業等が
発行する債券)では、前述の株式、債券のリスクに加え、為替の変動により、投資元本を割り込むことがあります。
例えば、売却・契約時に投資時期よりも、円安・円高で手元に戻る円貨の額が変わり、円高の場合には投資元本を
割り込むことがあります。また発行した国や地域、適用する通貨発行国の経済状況や政治状況の変化等により売買に
支障をきたし、換金ができないリスクがあります。
(流動性リスク)
5. 投資信託(上場投資信託=ETFを含む)
投資信託は、その投資信託が投資としている資産(例えば株式、債券、商品等)により、価格変動リスク、信用
リスク、流動性リスク、為替変動制リスクを内包しています。
このため、投資元本を割り込んだり、換金ができなかったり、その全額を失う事があります。
6. 投資する国や地域について
カントリーリスク:投資した国や地域により、その国や地域の政治・経済・社会情勢の不安定化や混乱などで投資し
た資金のすべて、又は一部が回収できないことがあります。
戦争や内乱、経済危機がある又は予見される国や地域に投資することは各リスクが極めて高くなります。