コバヤシアセットマネージメント > K-amジャーナル > (No.246) 米株式は史上最高値、しかしVIXは未だ鎧を降ろさず
(2020.11.30)
⇒ 今年のVIXは、年初13.85 しかしコロナで3/16日には82.69へヒートアップ
⇒ 昨今VIXは節目と言われる20を割りそうなトレンド
⇒ 株価が史上最高値の割に、VIXは慎重姿勢 先行き相場に不安を抱く
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米国VIX指数が本年2月のコロナ禍以前に戻りつつある。
11月は大統領選挙の見通しも立ち、又予防ワクチンの開発進展から、米国市場株価は史上最高値を記録している。
しかし、今年2~3月にかけて株価の急落➡VIX指数の上昇という展開があったことを忘れてはならない。
VIX指数は、2月24日以来、195日に渡り節目の20を上回って推移している。
しかし、11月27日は終値は20.84だったが、取引時間中には一時20を割り込んだ時もあった。やっと、光明が
見えて来たと思えるが、しかし株価の上昇に割にVIXの戻りが遅いのは、投資家が慎重姿勢を解いていない事を示し
ている。つまり、市場は、未だ相場の先行きに対し、不安を持っている。
1. コロナ禍のVIX値上昇
VIX指数とは、シカゴ・オプション取引所が、S&P500を対象とするオプション取引の満期30日のインポライド・
ボラティリティーを元に算出し、1993年から講評しているボラティリティー指数のこと。
VIX指数は今後30日間のS&P 500の予想変動範囲を表現していて、予想変動範囲(%) = である。例えば
VIX指数が20の場合は予想変動範囲が5.8%である。ただし現実にはS&P 500が下落する場合はVIXは上昇する傾向が
あり、VIXとS&P 500のパフォーマンスは負の相関関係にある。その統計的傾向から俗に恐怖指数とも呼ばれる。
(ウィキペディアより)
新型コロナウィルスの社会への伝播は、中国武漢で発生し, 市当局は本年1月23日午前10時都市封鎖をした。
日本では、横浜発のクルーズ船ダイヤモンド・プリンセス号の乗客が香港に上陸した後陽性と判明し、2月3日横浜沖に
到着。感染が確認されたが、物資補給のために2月6日には大黒埠頭に接岸した。
米国もほぼ同時期に初期感染者が発見され、日本よりは緩やかな対応であった為、その後の感染者と死亡者数の増大を
招くことになった。
下記VIX指数とS&P500との推移表からも、特に2月に入り株価の急減に対して、合わせるようにVIX指数は上昇した。
年初13.85であったVIXは、2/24頃から反応し始め、3月16日には82.69の年初来最高値をつけた。
この頃、S&P500は、3月23日に2,237と年初から32%も下落していた。
2. 株価上昇とヘッジ
その後、徐々にではあるが市場では対策と経済とのせめぎ合いが続き、一進一退をしながらも株価は右肩上がりを続け、
11月24日にはダウが30,000ドルの大台を超えた。S&P500も11/27日に3,638を付け、年初から13%プラスとなった。
しかし、最高値をつけているのに20を割り切れないでいる状況から、これを株価の値上がりを確保する為の保険として、
オプション購入している投資家が増えているのではないかと推察する見方もある。
市場は未だ鎧は降ろしていない。
(一部11/30付ウォールストリートジャーナルの記事を参考)
(了)
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