コバヤシアセットマネージメント > K-amジャーナル > ’15年 経済回顧
(2015/12/30)
この1年を経済の視点から、株価で比較するのが分かり易い。
昨年末日経平均は17,450円で終えたあと、1/16日に16,592円の年初来最安値を付けた。4/10日には2000年4月以来
15年ぶりの20,000円の大台を回復した。4月には、アメリカ経済も順調で、26日には米NASDAQが5,056と15年ぶりの
史上最高値を更新。NYダウも続伸。
日経平均がしっかり楽観ムードを見せたのが6/1日。この日は何と12連騰という大記録を達成。更に東証1部の時価総額が
初めて600兆円を超えて607兆円になった。その後、6/24日に、20,952円の年初来ピークを付けた。
その後7月はギリシャの債務問題が再燃した事などもあり、ボックス圏入り。
8/11日、中国が”元”通貨を2%切り下げると通告。中国経済減速を立て直しの為に、輸出肩入れと見られ、それからの
2週間で上海総合指数は25%も下落する荒っぽい状態。
この間、証券会社の約7割にあたる国営企業が取引停止するという、見たことのない不思議な光景をTVで見せられた。
その影響は日本にも及び、8/25日には1日で上下1,090円もの開きが出る混乱が生じた。そしてそれは全世界にも広がり、
8/21日の金曜日に急に下げたのでブラック・フライデーとも、チャイナ・ショックとも言われている。
しかし、これは単に中国の通貨切り下げが原因とは言い難い。他には、9月にはアメリカの9年ぶりの金利引き上げの観測があり、
又、原油安により新興国や産油国の財政に悪影響が懸念されること。又ギリシャの懸念再発などの相乗作用が濃縮した結果と
見られる。
9月に入ると、日経平均はジリジリと下げ、9/29日には遂に17,000円も割った。東証1部時価総額も502兆円となり、6/1日と
比較すると、100兆円が失われたことを示している。さらに9月下旬には、世界トップメーカーを競っているドイツのVW社が
アメリカで、排ガス測定に不正ソフトを使用して計測をパスしていた事件が発覚。工業大国ドイツの信用を失墜させる事態となった。
9月のアメリカFRBは結局次回は「予定通り実行するだろう」と予定を残し、9月の利上げは見送った。
日本では9月は、安倍首相は、GDP600兆円を目指す「新三本の矢」方針を発表、1億総活躍社会を力説。
さて、10月に入り10/5日、TPP大筋合意。日米など環太平洋12ヶ国が合意し、世界のGDPの4割に相当する経済圏が生まれる。
今後、韓国、フィリピン、インドネシアなど複数国が加入希望を出している。
11月には郵政3社の上場。初値は売り出し価格を上回り、上々との評判。しかし11/14日、パリで、ISと思われるテロが勃発、
129名が死亡するという事件が発生した。この為、欧州の経済活動や観光に大きな影響が出ることが懸念される。また、テロの
蔓延も各国に深刻さを与える。
12月、この1年半市場を憶測の渦で悩ませて来たアメリカの金利利上げが、+0.25%で決まった。今後は年3~4回の割で利上げを
すると思われる。
本日は大納会。日経平均は19,033円で引けた。前年末日+1,582円、+9.1%、Topixは1547㌽で引け、前年比+139㌽、+9.9%。
いずれも安倍政権成立後4年連続して上昇。
この1年の株式市場を回顧してみると、大きく2点あると思う。第1点がアメリカの利上げ問題。第2点が中国の経済減速。政治的には
IS問題やシリヤ難民問題、中国の南シナ海問題などがあろうが、明るいニュースとしてはCOP21妥結やTPP, 日韓慰安婦問題の決着を
挙げたい。
’16年は選挙の年。アメリカ大統領の選挙の年は、ドルが強くなる傾向がある。日本でも夏に参院選挙。衆参同時選挙も有りや?
(了)
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債券発行者の信用リスク:市場環境の変化、債券発行者の経営・財務状況の変化及びそれらに 関する外部評価の変化等により売買
に支障を来たし、換金できないリスクがあります(流動性リスク)。この結果、投資元本を割り込むことがあります。
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