米利上げ 霧晴れたが次の雲が・・・

米利上げ 霧晴れたが次の雲が・・・

(2015/12/17)

 

FRBは日本時間12/17 04:00 これまでのFF金利を0.25%引き上げることにしました。

引き上げは、’04/6月以来9年半ぶりです。前回の利上げと利上げ終了時, 更に今回の利上げ時を

比較してみましょう。

時期               04/6 ⇒ 06/6      ’15/12

FF金利(%)   1.0 ⇒ 5.25   0.25

個人消費支出(%)1.9 ⇒ 2.4    1.3

失業率(%)     5.6 ⇒ 4.6    5.0

FF金利0~0.25%とした所謂ゼロ金利政策は、08年のリーマンショックの後の08/12月から対策を打たれました。

リーマンのショックを和らげるために、金融の緩和(QE)も09, 11, 13年と3度行ってきました。09年の頃の失業率は

10%ありましたが、第3次QEの頃は7%前半に下がり、失業率が5%台に入ってきた14年後半からはそろそろ利上げの

観測記事が出てきました。この1年半は世界経済の話題は、必ず「米利上げ」が枕詞として付いていました。

しかし、まだ個人消費支出(PCE)が不安定でした。目標としていた2.0%に届きません。

世論は本年9月実施は間違いなしと読んでいた所、新興国に不安が現れました。先ずブラジル。グラジルのレアルは

原油安もあり、今年に入って約30%下落しています。更に中国。上海総合指数は8月第2週、第3週に大きく下げ乱売に

入りました。又、シュール・ガスを起因とした原油安によりロシア、インドネシアの産油国も財政が不安定化していました。

 

日本も、ECも世界を引っ張る元気がない。今元気なのは、アメリカだけと見られます。

今後の利上げのスケジュールは緩慢に進むようです。景気を見ながら年3~4回、0.25%/回と見られます。

 

やっと、不透明感消え、霧が晴れたようです。

NY株式市場は利上げ発表とイエレン議長の声明発表直後は一瞬下げましたが、すぐ戻し上昇を続けました。

東京市場も同じく反発し、303円高(+1.59%)で終了しました。一日を終わってしまえば、何事もなかった様な一日。

でも利上げする?しない?と揺れる1年半でした。

本年9月後半から東京市場は下げましたが、この頃はリスクを織り込んでいたものと思われます。そこに10月上旬、TPP

合意、11月上旬郵政3社上場という明るい話題が続き、次第に不透明感は消えて行ったと考えます。

だから、アメリカの利上げでも日本の株価は上げとなりました。今後の為替の見通しは、はっきりしませんが、

ドル高/円安基調にはあると考えます。125円~130円もあり得ます。

これは日本経済にとっては悪いことではありませんが、世界から見れば弱い日本となります。

いつまでも円安期待に頼るべきでないというのが私の考えです。

利上げはこれで終わった訳ではなく、次のステージに移っただけです。

すぐ次の雲が来ています。

 

(了)

 

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価格変動リスク: 株価の変動により投資元本を割り込むことがあります。

また、株式発行者の経営・財務状況の変化及びそれらに関する外部評価の変動等により、投資元本を割り込んだり、その全額を

失うことがあります。

株式発行者の信用リスク:市場環境の変化、株式発行者の経営・財務状況の変化及びそれらに関する外部評価の変化等により売買に

支障を来たし、換金できないリスクがあります(流動性リスク)。この結果、投資元本を割り込むことがあります。

2. 債券

価格変動リスク: 債券の価格は、金利変動等により上下しますので、投資元本を割り込むことがあります。

また、債券発行者の経営・財務状況の変化及びそれらに関する外部評価の変化等により、投資元本を割り込んだり、その全額を

失うことがあります。一方、債券によっては、期限前に償還されることがあり、これによって投資元本を割り込むことがあります。

債券発行者の信用リスク:市場環境の変化、債券発行者の経営・財務状況の変化及びそれらに 関する外部評価の変化等により売買

に支障を来たし、換金できないリスクがあります(流動性リスク)。この結果、投資元本を割り込むことがあります。

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4. 外貨建て証券

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このため、投資元本を割り込んだり、換金ができなかったり、その全額を失う事があります。

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又は一部が回収できないことがあります。

戦争や内乱、経済危機がある又は予見される国や地域に投資することは各リスクが極めて高くなります。

 

 

 

 

 

 

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