郵政3社上場 今後の見通し

郵政3社上場 今後の見通し

(2015/11/4)

 

今日11/4は郵政3社の上場日で市場は賑わいを見せています。

 

1)郵政株の強みは、安定的な純利益が見込めるということです。

同社の財務諸表により、純資産を売り出し価格で割った株価純資産倍率(PBR)は郵政0.51、

ゆうちょ0.47、かんぽ0.67と1以下なら割安と言われる中で、株価を安く設定した意図が見えます。

(但し、来期は減益を見込んでいます。)

 

2)更に、日本郵政には土地に大きな含み益を持っています。例えは、東京駅の駅前の中央

郵便局や、大阪梅田駅前の中央郵便局。同社の財務諸表には土地として1兆4400億円とありますが、

含み益はその5~8倍あってもおかしくなさそうです。

 

3)同社のポイントのもう一つは配当性向の良さです。日経225銘柄の平均が1.5%程度なのに

対し、郵政3社はその倍以上の3%以上(公開売り出し価格をベースとして)を見込んでいます。

 

4)次に郵政を取り巻く経済環境です。郵政の子会社のなかで日本郵便は今回、上場から外れました。

郵便は全国24,000の郵便局を持ち、利益的には154億円の薄利です。経営形態としては、ゆうちょ

とかんぽで収益を上げた利益で郵便事業を運営していこうという形態です。郵便事業は郵便法

第2条で「郵便業務は日本郵便が行う。」とおり、投げ出す訳は行きません。

(日本郵便ができる前は「国」が行うとなっていました。)

ゆうちょ銀行は、預け額上限が1,000万円となっており、これを超えると勝手に国債を購入

しますと連絡を受けた人は多いはず。さらに、この銀行の資産209兆円の約半分は国債で

運用され、残りは日銀当座預金、地方債、社債、外国証券など為替リスクはあるものの市場

リスクはありません。又、企業融資や住宅ローン貸出もありません。

ですから、リーマンショック時も落ち込みもなく利益を出してきました。

 

今後のテーマとしては、運用対象の変化です。その為には法改正が必要ですから、

1~2年の時間がかかりますが、世論の後押しがあれば早めに一般金融機関化になれるで

しょう。大手金融機関からファンドマネージャーをリクルートしているという噂も耳に

します。

 

5)最後に、株価見通しですが、上記好条件のPBRや配当性向、更に土地含み益、今後の事業分野

の業務拡大など環境は明るいと見られます。

よって、株価は大化けは期待できないものの、年末までダラダラと上昇。その後は、なだらかな

上下を繰り返すと予想されます。

配当が良いし、3年後には第二次売り出しを控えており、貴重な政府収入源泉を魅力あるものに、

当局は法案改正や海外M&Aを予定しています。話題に事欠かない銘柄ですからので長期保有に

向いています。

(了)

 

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投資リスクについて 1. 株式 価格変動リスク: 株価の変動により投資元本を割り込むことがあります。 また、株式発行者の

経営・財務状況の変化及びそれらに関する外部評価の変動等により、投資元本を割り込んだり、その全額を失うことがあります。

株式発行者の信用リスク:市場環境の変化、株式発行者の経営・財務状況の変化及びそれらに関する外部評価の変化等により売買

に支障を来たし、換金できないリスクがあります(流動性リスク)。この結果、投資元本を割り込むことがあります。

2. 債券 価格変動リスク: 債券の価格は、金利変動等により上下しますので、投資元本を割り込むことがあります。 また、

債券発行者の経営・財務状況の変化及びそれらに関する外部評価の変化等により、投資元本を割り込んだり、その全額を失うことが

あります。一方、債券によっては、期限前に償還されることがあり、これによって投資元本を割り込むことがあります。

債券発行者の信用リスク:市場環境の変化、債券発行者の経営・財務状況の変化及びそれらに 関する外部評価の変化等により

売買に支障を来たし、換金できないリスクがあります(流動性リスク)。この結果、投資元本を割り込むことがあります。

3. 外国株式・外国債券 為替変動リスク:外国株式や外国債券等の外貨建て金融商品では、為替の変動により投資元本を割り込む

ことがあります。

4. 外貨建て証券 為替変動リスク:投資対象が外貨建て証券(例えば海外市場に上場にしている株式、外国政府・公的機関・企業

等が発行する債券)では、前述の株式、債券のリスクに加え、為替の変動により、投資元本を割り込むことがあります。例えば、

売却・契約時に投資時期よりも、円安・円高で手元に戻る円貨の額が変わり、円高の場合には投資元本を割り込むことがあります。

また発行した国や地域、適用する通貨発行国の経済状況や政治状況の変化等により売買に支障をきたし、換金ができないリスクが

あります。(流動性リスク)

5. 投資信託(上場投資信託=ETFを含む) 投資信託は、その投資信託が投資としている資産(例えば株式、債券、商品等)により、

価格変動リスク、信用リスク、流動性リスク、為替変動制リスクを内包しています。 このため、投資元本を割り込んだり、換金が

できなかったり、その全額を失う事があります。

6. 投資する国や地域について カントリーリスク:投資した国や地域により、その国や地域の政治・経済・社会情勢の不安定化や混乱

などで等した資金のすべて、又は一部が回収できないことがあります。 戦争や内乱、経済危機がある又は予見される国や地域に投資

することは各リスクが極めて高くなります。

 

 

 

 

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