資産形成 (1)「リスク許容度」からスタート

資産形成 (1)「リスク許容度」からスタート

(2015/11/29)

 

投資助言業と言うと、急に興味を持った様な目つきで「ネー、次にどんな株が上がるの?」って聞いてくる友人がいます。

そんな事、わかる訳、ありませんよね!

でも、債券と株式、日本と海外、商品や不動産(REIT)などの組み合わせにより、バラツキを少なくすることは出来ます。

 

先ずは、ご自分の「リスク許容度」を算出することから始めます。

1. リスク許容度とは

リスク許容度は、投資家の許容できるリスクの範囲のことで、資産運用に伴い発生するリスク(損失)をどの程度

受け入れられるかの度合をいいます。

必要なリターンや資産額を達成する為に、投資家が取れるリスクの大きさのことです。リスク許容度はj投資家の将来の

支出予定、現在の収入と資産、知識、好みなどを考えることで計る事が出来ます。

将来の支出が少なく、現在の収入や資産が大きく知識が豊富で、思い切ったことをしたがる人は、リスク許容度が大きいと

言えます。

 

2. リスク許容度は、変動する

リスク許容度は年齢、職業、家庭、負債、家計、将来のライフプラン、投資の選好などにより変動してきます。よって環境が

変われば、質問への回答も変わってきますので、固定したものではありません。

特に子供の教育や住宅に資金が回る時期は、投資はなかなか出来ないものです。一方、子育てが終わったり、ローンが完済したり、

親の相続資産が入ってきたりしたりした時は、安定期にありますから投資も考えられます。

しかし、どうしても計れないもの、それは好みです。安全性が好きか、リスク性が好きかは他から良し悪しは言えませんが、

リスク許容度の算出の過程で面談で修正していけば良いでしょう。

 

3. リスク許容度の質問

リスク許容度は質問表によって行います。

例えば、以下の様なものです。(出典:ハロルド・エバンスキー著「ウェルス・マネージメント」(ダイヤモンド社)

 

質問1 次の項目のそれぞれについて貴方の関心の程度について○をつけて下さい。

番号が大きいほど重要度が大きいとします。

元本の確保       5 4 3 2 1

成長性         5 4 3 2 1

低い価格変動制     5 4 3 2 1

インフレ防御      5 4 3 2 1

現在のキャッシュフロー 5 4 3 2 1

積極的な成長      5 4 3 2 1

 

質問2 大恐慌を除いて、投資家が市場の暴落や大幅な下落のあと、彼らのポートフォリオが元の価値に戻るまで、最も長い期間で

株で4年、債券で2年掛かっています。このことから、短気的な損失から貴方のポートフォリオを守ることは不可能です。次の

質問に答えて下さい。

もし自分のポートフォリオを私の目標を達成するような長期的なリターンを   1年以下

もたらすのであれば、回復する為にどのくらいの期間待てますか?       1年~2年

2年~3年

3年以上

もし、「1年以下」か「1年~2年」を選択した場合、貴方は自分の目標を

大幅に引き下げることが出来ますか?                    はい ・ いいえ

 

質問3 いずれもA・Bどちらかを選んで下さい。

A)貴方は80万円を稼げる

B)貴方は100万円を稼げる確率が80%ある。(何も得られない確率が20%ある。)

A)貴方は80万円を失う。

B)貴方は100万円を失う確率が80%ある。(何も失わない確率が20%ある。)

 

質問 貴方の投資額は幾らですか?その金額は貴方の全資産のの何%になりますか?

質問 貴方の投資の目標収益率は? 予想インフレ率を何%と見ていますか?

質問はまだ続きます。

勿論、こうした質問に先立ち、年齢、性別、家族構成、職業等の個人情報を質問しています。

こうした質問を約15~20項目した上で、貴方のリスク許容度を計ります。

 

4. リスク許容度の評価

合計点数により、一番リスク許容度の低いレベル1から一番高いレベル5までに分類します。

レベル1 リスク許容度は非常に小さい方です。資産の成長を狙うと言うよりも、むしろ安定性を重視した

運用を考えるべきです。

レベル2 若干のリスクを取ることの出来る方ですが、リスク許容度は小さい方に属します。安定性資産を

主体にして、リスク性を抑えて投資をします。

レベル3 平均的なリスク許容度の方です。リスク性資産6割、安全性資産4割を基本にポートフォリオを

選択します。

レベル4 平均を上回るリスク許容度を持っている方です。ご自分の最終的な目標資産額と余裕資金を勘案して

積極的に運用をできる方です。リスク性8割、安全性2割でも良いと思われます。

レベル5 非常に大きなリスク許容度をお持ちの方です。可能ならば、ヘッジファンドや、エマージング、先物

なども、対象の一つとして検討して良いと思われます。

 

5. ポートフォリオの選択

いよいよ最後の段階です。リスク許容度に基ずき、算出したレベルを信頼し、堅実に運用を始めましょう。

リスク性資産、つまり株式や商品、FXなどは知らない物には手を出さないこと。そして1銘柄に集中させないこと。

また、分散させても同じ分野の物、例えば自動車関連でトヨタ、ブリヂストンとデンソーと言うようにこれでは

分散になりません。右と左の関連の少ない物を選んで下さい。

 

専門家に任せたいなら、投資信託という方法もあります。投資信託は販売手数料が購入段階と毎年引かれる信託報酬が

ありますから、コストに注意が必要です。

将来を読み切れませんが、過去はモーニングスターなどで簡易的に見ることができます。

最近はコストを更に重視したETFという商品が充実して来ました。

株式と同じで取引出来き、例えばJPX日経400なら400銘柄を購入したと同じですし、MSCI  ACWI(1554)なら

日本を除く先進国と新興国ワンパッケージで購入できるというものです。

勿論、米国市場の指数物も買うこともできますし、東証の分野(17分野)毎にも買うことも出来ます。

応用が非常に広いのがETFですが、注意は流動性の低い物があるので扱い高の高い物を購入すること。

 

以上が入口から出口までの概略の流れです。次回はETFについて更に堀り下げて検証します。

(了)

 

本情報は当所の業務内容に掛かる投資情報の提供であり、記載されている情報は、予告なく内容を変更する場合があります。

投資に関する最終判断は、ご自身の判断と責任において行って下さい。

 

【金融商品取引法第37条(広告等の規制)に掛かる留意事項】

 商号等

コバヤシ アセットマネージメント 所長 小林 治行    投資助言業 関東財務局長〈金商〉第2841号

加入協会  一般社団法人 日本投資顧問業協会

手数料等 投資助言の契約の前には、「投資顧問契約の契約締結前交付書面」を良くお読み頂き、ご納得のうえご契約頂きます。

報酬等は「投資顧問契約の契約締結前交付書面」又は、ホームページの投資助言業のページをよくご覧ください。

投資リスクについて

1. 株式 価格変動リスク: 株価の変動により投資元本を割り込むことがあります。 また、株式発行者の

経営・財務状況の変化及びそれらに関する外部評価の変動等により、投資元本を割り込んだり、その全額を失うことがあります。

株式発行者の信用リスク:市場環境の変化、株式発行者の経営・財務状況の変化及びそれらに関する外部評価の変化等により売買

に支障を来たし、換金できないリスクがあります(流動性リスク)。この結果、投資元本を割り込むことがあります。

2. 債券 価格変動リスク: 債券の価格は、金利変動等により上下しますので、投資元本を割り込むことがあります。 また、

債券発行者の経営・財務状況の変化及びそれらに関する外部評価の変化等により、投資元本を割り込んだり、その全額を失うことが

あります。一方、債券によっては、期限前に償還されることがあり、これによって投資元本を割り込むことがあります。

債券発行者の信用リスク:市場環境の変化、債券発行者の経営・財務状況の変化及びそれらに 関する外部評価の変化等により

売買に支障を来たし、換金できないリスクがあります(流動性リスク)。この結果、投資元本を割り込むことがあります。

3. 外国株式・外国債券 為替変動リスク:外国株式や外国債券等の外貨建て金融商品では、為替の変動により投資元本を割り込む

ことがあります。

4. 外貨建て証券 為替変動リスク:投資対象が外貨建て証券(例えば海外市場に上場にしている株式、外国政府・公的機関・企業

等が発行する債券)では、前述の株式、債券のリスクに加え、為替の変動により、投資元本を割り込むことがあります。例えば、

売却・契約時に投資時期よりも、円安・円高で手元に戻る円貨の額が変わり、円高の場合には投資元本を割り込むことがあります。

また発行した国や地域、適用する通貨発行国の経済状況や政治状況の変化等により売買に支障をきたし、換金ができないリスクが

あります。(流動性リスク)

5. 投資信託(上場投資信託=ETFを含む) 投資信託は、その投資信託が投資としている資産(例えば株式、債券、商品等)により、

価格変動リスク、信用リスク、流動性リスク、為替変動制リスクを内包しています。 このため、投資元本を割り込んだり、換金が

できなかったり、その全額を失う事があります。

6. 投資する国や地域について カントリーリスク:投資した国や地域により、その国や地域の政治・経済・社会情勢の不安定化や混乱

などで等した資金のすべて、又は一部が回収できないことがあります。 戦争や内乱、経済危機がある又は予見される国や地域に投資

することは各リスクが極めて高くなります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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