コバヤシアセットマネージメント > K-amジャーナル > 経済指標から見る中国経済
(2018.9.30)
⇒ 今年のGDP目標は昨年と同じ6.5%
⇒ 個人消費支出の比率が他の先進国に比較し、低いとされる中国は個人所得税減税で底上げ図る
中国の18年実質GDP目標は昨年と同じ6.5%。2017年は6.9%の成長だったが、今年の目標を据え置いた。
トランプ大統領政権が3月に鉄鋼・アルミの輸入制限を発動する方針を表明し、中国・欧州、カナダ等の
貿易相手国へのリスクとして浮かび上がってきた。
中国の小売売上高と物流に関連する貨物輸送量の推移を検証してみた。
小売高伸び率は8年前からほぼ半減し、約3年間の物価指数(CPI)もその中央値は0.05と極少。
今後、トランプ政権と追加関税の報復合戦も、対米輸出額が多い中国の方により大きな影響が出てくる。
中国の小売売上高と物価変動を検証してみる。
(データは民間データを使用した。)
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中国のDGPは第1四半期6.8%、第2四半期6.7%と今年前半は貿易摩擦の影響も少なかったが、追加関税の
報復措置を取り合う両国が矛を収める気配は今の所ない。中国は米国の11月の中間選挙までは交渉に
ならぬと時間の過ぎるのを待つ戦術に出ている。
これらの指標からは明らかに、中国経済の緩慢な下降は見て取れる。貨物輸送量は16年後半から政府の肝いりで大きく伸長する時期も
あったがそれも長続きせず、下降傾向を示しながら上下を繰り返している。
今後の見通しでは、米国の7-9月に計2500億㌦(約28兆円)相当の中国製品に対する追加関税により、10月以降中国からの輸出の
落ち込みが懸念される。
こうした懸念に対し、中国当局は10月から新規に個人所得税の減税策を打ち出す。規模は年3200億元(約5兆1000億円)。
課税最低限を月収3500元を同5000臆元に引上げる他、教育・住宅ローン利息等を控除する。
小売売上高の伸び率も、今年5月には8.5%と15年ぶりの低水準だった。こうした施策で、サラリーマンや中間消費者層を
支援する。中国のそれ以外の減税としては、既に実施中の物が二つ。一つは増値税(付加価値税)で、2400億円規模。法人税で
600億円規模がある。
(了)
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