米国 国債利回り上昇と株価との関連、日経平均の動向

米国 国債利回り上昇と株価との関連、日経平均の動向

(2018.10.9)

 

⇒ 10/4日以降米国イールドカーブは上昇基調

⇒ NYダウは10月初めに2日連続の史上最高値を付けたあと軟調

⇒ 日経平均は10月初め年初来高値を付けた後、調整。企業の四半期決算発表に注目

 

1. 米国イールドカーブと株価

9月13日K-amジャーナルで、昨今の米国イールドカーブの長短の利回り差が縮小しフラット化するのではないかと予測した。

しかし、10月に入り10年物は3.2%を超えて11年5月以来の高値水準になった。

9/13日のジャーナルで30年-2年物の差は2/9時点で1.11あったものが、8/24日には0.31まで縮小し、更に縮小するかと予測したが

その見通しを修正しなければならないかも知れない。10/8日時点ではその差が、0.55まで拡大してきた。

これは9月のFOMCで今年3回目のFF金利引き上げを行ったあと、米国の中間選挙のあおりもあり、雇用統計や失業率、平均時給など

主要経済指標が堅実な安定を示していることで、安心感が長短の差を広げているものと見られる。

しかし、株価は利回り上昇に反し下落傾向となっている。(表中の楕円の部分) NYダウが10/2日と10/3日に史上

最高値を記録した直後でもあり反動と見られるが、利回りを表示するイールドカーブと株価を重ねると今後に一服感が出てくる。

 

 

(表1)

181009_米国国債利回りと株価(2)

 

2. 日経平均株価

日経平均は10月初日から2日連続で年初来高値を更新した。

当ジャーナル8月28日号で25日、75日、200日の移動平均線がほぼ同じ価格帯に集約しており、経験則からその後の

株価上昇を期待できると展望したが、その経験則はほぼ正しいと言える。

今後の見通しとして、5日線の急激な上昇を受け利益確定売りが続くと見られるが、今月中旬以降四半期決算が出始めるが

収益上方修正が続くと見られ、株価は緩慢な上がりをして来よう。

日本の株価に大きな影響を与えるのが海外投資家筋だ。直近9月3週・4週は2770億円、3770億円と7月第2週以来大きな資金が

流入しており、この動向が日経平均を押し上げたと見られる。

海外投資家筋の動きはなかなか読みにくく、毎週木曜に東証から発表される「投資部門別売買代金差額」が注目される。

 

 

(表2)

181009_日経平均移動平均線(3)

(グラフを差替えました)

 

(了)

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