コバヤシアセットマネージメント > K-amジャーナル > 米国金利 利上げになるとどうなるか?
(2015/9/29)
9月17日、FRBのイエレン議長は米国のこれまでのゼロ金利政策を維持することを
発表しました。さらに「年内利上げは適切」と発言しました。後日の発表で17人中、6人は
9月利上げを主張したようです。
日本の日銀黒田総裁は物価を2%上げるためにはあらゆる手段を尽くすとして、
量的緩和策の継続を発表しました。これで年間80兆円もの資金が市中に投入されます。
焼酎の水割りに更に水を足して居るようなもので、日本の金利は益々↘の状態です。
なぜ2%インフレが必要か
なぜインフレが必要でしょうか。それは「デフレからの脱却」の為です。デフレになると、経済が
収縮するので現金で持っていた方が有利であり、投資をする人がいなくなります。
一方、インフレは今日1,000円の物が1ヶ月後は1,100円、6ヶ月後は1,300円としたら今の内に
買っておこうと消費マインドが働きます。投資でも同じで、早めに工場を建てようとするでしょう。
つまり、健全なインフレは投資や賃金を上げて、消費を向上させて経済力を向上させてくれます。
しかし、過去約25年日本は消費税導入に伴う要因なども加わるものの、-1~+1.5程度の幅の中に
推移しています。物価は日本ではほとんど上がっていないのです。
資料:GLOBAL NOTE 出典:IMF
利上げになるとどうなる
米国金利が利上げになると、少なくとも世界中のドル資金がゆっくりと米国に還流し始めます。9月の時も、
新興国、資源国の通貨の下落が見られました。当然、そうした国は対応策を取るでしょう。
日本は現在為替が120円付近ですが、米国の金利が上昇する訳ですから、ヘッジファンド系の資金を
中心としてアメリカに流れると予想されます。つまりドル高・円安化です。為替専門家によると125円くらいまで
緩慢に下落するだろうとの観測です。
株式市場としてはドル高円安ですから、一時的には輸出銘柄やインバウンド銘柄、空輸に上昇が期待できます。
一方、輸入品はジワリと上昇して来ます。原油、穀物、原材料、などは軟調が予想されます。
日本への観光客の数が落ちないというのはこの時期、大変心強い限りです。
前回の米国の利上げは04年6月から始まりましたが、0.25%づつ17回続きました。
米国の経済現況は、雇用情勢やインフレ率なども適正な推移を示しています。12月には利上げをすると
思われますし早く決着して次の段階に入った方が、次の手の打ち方が早くできます。
(了)
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投資リスクについて
1. 株式 価格変動リスク: 株価の変動により投資元本を割り込むことがあります。 また、株式発行者の
経営・財務状況の変化及びそれらに関する外部評価の変動等により、投資元本を割り込んだり、その全額を失うことがあります。
株式発行者の信用リスク:市場環境の変化、株式発行者の経営・財務状況の変化及びそれらに関する外部評価の変化等により売買
に支障を来たし、換金できないリスクがあります(流動性リスク)。この結果、投資元本を割り込むことがあります。
2. 債券 価格変動リスク: 債券の価格は、金利変動等により上下しますので、投資元本を割り込むことがあります。 また、
債券発行者の経営・財務状況の変化及びそれらに関する外部評価の変化等により、投資元本を割り込んだり、その全額を失うことが
あります。一方、債券によっては、期限前に償還されることがあり、これによって投資元本を割り込むことがあります。
債券発行者の信用リスク:市場環境の変化、債券発行者の経営・財務状況の変化及びそれらに 関する外部評価の変化等により
売買に支障を来たし、換金できないリスクがあります(流動性リスク)。この結果、投資元本を割り込むことがあります。
3. 外国株式・外国債券 為替変動リスク:外国株式や外国債券等の外貨建て金融商品では、為替の変動により投資元本を割り込む
ことがあります。
4. 外貨建て証券 為替変動リスク:投資対象が外貨建て証券(例えば海外市場に上場にしている株式、外国政府・公的機関・企業
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売却・契約時に投資時期よりも、円安・円高で手元に戻る円貨の額が変わり、円高の場合には投資元本を割り込むことがあります。
また発行した国や地域、適用する通貨発行国の経済状況や政治状況の変化等により売買に支障をきたし、換金ができないリスクが
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6. 投資する国や地域について カントリーリスク:投資した国や地域により、その国や地域の政治・経済・社会情勢の不安定化や混乱
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