コバヤシアセットマネージメント > K-amジャーナル > (No.243) VI(恐怖指数)、7ケ月半ぶり20切り
(2020.10.11)
⇒ VI指数が10月10日、7ケ月半ぶりに20を切った
⇒ 世界的には感染症は収束してはおらず、米国でホワイトハウスでクラスターが。
大統領選中のトランプ大統領も感染
⇒ インドは未だ1日当たり10万人規模の感染者数
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1. 10月10日、VI20を切る
10月10日は日本では晴れの特異日と言われるが、残念ながら台風14号が伊豆諸島近くを通り、
太平用側は雨と強風が襲った。
しかし、この日の日経平均のボラティリティー・インデックス(VI)が、19.71と7ケ月半ぶりに20を切った。
やっと、株価は巡航速度帯に戻ったと言えるかも知れない。
通常時は10ポイント台で推移するが、2月24日以来異常状態の中にあったと言って良いだろう。
このボラティリティー・インデックスとは、日経平均オプション取引の価格を利用し、投資家が抱く1ケ月先の
日経平均株価の予測変動率(ボラティリティー)を表すもの。
この値が高いと、将来の日経平均が大きく変動すると投資家が予想していることを表し、相場の先行きに不透明感が
強いことを意味する。
2. 新型コロナの対策履歴
コロナのニュースは、2020年1月6日、厚労省から「中国武漢において昨年12月以降原因不明の肺炎が複数報告
されている」と発表された。国内で初めての感染者が出たのが、1月16日神奈川県在住の武漢市に渡航歴のある人。
1月23日には、武漢市は「都市封鎖」をしたニュースには、さすが共産国家はこれ程の事をするのかと驚いたものだ。
日本政府は、これを受け2月1日から春節間際の中国感染を懸念し、中国湖北省へ渡航歴のある外国人を入国拒否
すると発表。
この頃には、このウィルスは人・人感染すると徐々に分かってきて、コンビニからマスクがなくなり始めた。
さらにこの頃、横浜を出港した大型クルーズ船「ダイヤモンド・プリセス」号から香港で下船した客が陽性と
判明した頃からアラートがなりはじめ、同船が横浜港に戻った時は、乗客・乗り組み員とも下船は認めず、洋上
検査を実施。陽性者は神奈川県内の医療機関に入院し、他の人は2週間の健康観察期間を経て下船するが、船内の
感染症対策の不十分さと、下船後の乗客が公共交通機関を使って帰宅したことが後日非難を浴びた。
結局、「ダイヤモンド・プリセス」号での死者は13名、感染者は712名となった。
厚労省では専門家会議を設け、「帰国者・接触者相談センター」を設置し、「風邪の症状や37.5度以上の発熱が
4日以上続く」症状を相談基準とした。
安倍首相は、2月26日、全国的なスポーツ、文化イベントを中止、延期、又は規模の縮小を要請。
更に翌27日から全国のすべての「小・中・高校の臨時休校」を要請した。
全国では、北海道、大阪でもクラスターが発生し、全国に伝播していた。
3月14日から、特措法にもとづく「緊急事態宣言」が発出された。
この頃が、市況的には最もVIの不安感がピークになった時期となる。
VI指数は、2月25日から20ポイントを超え、世間の感染症のニュースに敏感になり、3月16には今期最高の60.67を
記録した。NY証券取引所でも、世界の感染状況の不透明感から、同日82.69を記録した。
しかし新型コロナ感染症は、世界では未だ衰えていない。米国で死者21万人を越え、インドでは未だに1日当たり
10万人が感染している。米国では、大統領選挙期間中のトランプ大統領が感染し、更にホワイトハウス内でクラスターが
発生している。
3. 経済指標はポジティブ
VIの収まりは結局感染は感染として、経済を動かすという別のモーメントが動いている証左だろうか。
日本、米国、ユーロ圏の景況感指数は、4月頃を底として8月頃から上向き始めている。
日本では、9月景気ウォッチャー現状DIが今年最高値の49.3を示しているし、米国では9月ISM製造業景況指数が4月に
底をつけた後今年最高の55.4を示している。
こうしたコロナを恐れながら、経済の動かす力は徐々に回り始めている。
(了)
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