議決権行使 助言会社登場 ~ROEや社外株主数など

議決権行使 助言会社登場 ~ROEや社外株主数など

(2015/6/16)

 

今週は株主総会最多の週です。株式持ち合いは減ったとはいえ、大手銀行や保険会社は株式情報を

読むだけでも大変でしょう。

つい、「賛成」として物言わぬ機関投資家と言われていた・・・、のはこれまでのこと。

これからはガラっと変わりそうです。

 

海外機関投資家に議決権行使の助言を行う会社で最大手のISSが同社の基準を発表しました。

基準を明確にすることで、総会時に決議に「賛成」、「反対」を表明し、株主の意思を表明する為です。

 

■ ROE導入基準

2015年日本向け議決権行使助言基準では、ROE基準が導入され、過去5期の平均自己資本利益率(ROE)が

5%を下回る企業の経営トップに「反対」を推奨することとされました。但し、平均で5%以下でも、直近で5%以上ある

場合には改善されているとして反対はされません。

ROEは最近GPIFの指数取り入れに採用させたこともあり、益々重要性を増しています。

アメリカのROEは15%、ドイツは12.5%に対して、日本のROEは8.9%と出遅れています。

海外からみれば日本株は魅力が薄いと言われる所以です。

 

ROEもJPX日経400の評価項目となり、年間数十社の入れ替えとなると、軽く考える訳には行かなくなりました。

国内からも、海外からもROEへの関心は一層注目されます。

この規定は2015年2月から適用です。

 

■ 取締役会に複数の社外取締役を選任要請

取締役会に複数の社外取締役がいない企業の経営トップに「反対」されます。これはアメリカ方式で性悪説で

社外取締役を複数役員会に入れ込んで置けば悪さはしない(または減る)という考えでしょう。

この基準は2016年2月から導入を予定しています。

 

■ 監査等委員会設置会社への移行は「賛成」

監査等委員会設置会社への移行は「賛成」です。

 

(出典:三井住友信託銀行、SMBC日興証券、ISSの資料を見ましたが、最終文責は筆者にあります。)

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