コバヤシアセットマネージメント > K-amジャーナル > 米国FP大会参加 その見分録(2)
(2018.10.28)
1)NYSE
FP大会開催地のフィラデルフィアからアムトラック特急列車で約1時間半。いよいよNY。
話が戻るが、興味深いのが白タクの利用方法。フィラデルフィアで空港から出て、ホテル行をどうしようかと 考えていた時、
同行の氏がやおらスマホを取り出し、白タクを呼び出すと数分でその車が目の前に来た。
それは配車サービスのリフトと言う会社とのこと。同業ではウーバーは度々耳にしているが初めてのこうした体験。
ホテルまで3人で30㌦プラスチップ。仮にその時タクシーを利用すれば、ドライバーに行き先ホテル名を伝え、到着後キャッシュで
料金を払わねばならないが、このウーバー方式はまずクレジットカードを登録してあるのでキャッシュの支払いはなし、行き先も
呼び出し時に目的地を入力しているので言う必要なし。つまり、運転手と一言も会話をしなくて終了してしまう。ちなみにタクシーを
利用すれば料金はその倍以上とか。安くて、早くて、その場での支払いはなし。 米国滞在中、この白タクには度々お世話になった。
いずれ、日本にもこの方式が入るだろうが、日本では業界保護と安全確保の為、白タク禁止なので法律の改訂が必要となる。
さてNY2日目は午前ニューヨーク証券取引所(NYSE)見学。実は今回同行の氏の伝でやっと見学が可能になった。
私も2006年 初めてのFP大会に参加した折、NYSEを見学した。この時は身分保証人がいれば2階の見学コースに入れた。しかし、
現在は911の後、 益々警護が厳重になり、関係者でなければ入れなくなった。それが何と、今回はトレード・フロアーへ。
お馴染みの丸い島のようなところで、男性がじっとモニターを見ている。現在NYSEの扱い高は東証の約6倍。年間3,000兆円が動く
世界経済の中心だ。全体の9割はコンピューター処理されるが、残り1割は機関投資家から大口注文が来ると、その人(マーケット・
メーカーという)は、板を見ながら小分けにしてボラティリティ(振幅)を大きくしないように発注するとの事。
(写真) NYSEのトレード・フロアーにて。 写真の男性はウォルト・デイズニー株の担当のひとで、じっと板を見つめる
その日の午後、同行の氏の伝で某総合研究所エコノミストの米国経済の見通しの研修の機会を得た。 米国経済は「政治リスクは
続くも、景気拡大は過去最長へ」との基本論調。米中貿易摩擦の影響度は、そもそも米国の貿易依存度は 国際的に見ても低く、
伝えられるような下げ程にはならないとの見解であった。
2)Francis Financial FP事務所
いよいよ9日目の月曜、NYのFrancis Financial社を訪問。 同社は米国FP事務所の中でもニッチな離婚や未亡人の女性客を対象にし、
女性客が7割とのこと。 離婚はFP単独で支援できる訳でもなく、法律の専門家と協同して進めるとのこと。米国においては全家計
資産の中で、 女性の占める割合は52%と女性の資産額が多いということだ。 社長のStacyさんは各メディアに登場する有名人で
あることから、成長は今後も続くものと思われる。
(写真) 社長のStacy(白い服)さんを囲んで
3)その他特記事項
土日が入ったので、各自NYの町の観光を楽しんだ。 2001年9月11日ワールドトレードセンターに飛行機が突っ込んだ同時
多発テロは、母国本土が外国に攻撃されたことのない米国に とっては恐怖と怒りであったはずだ。 その現場は今、6棟の
建物が建ち、最も高い建物は高さ1,776フィート(約541m)とのこと。1,776とはアメリカ独立記念の年。 現場には911
記念堂があり、地下に降りるとひしゃげた大きな鉄骨、旧建物の基礎跡、押しつぶされたクレーン消防車などが 残されている。
更に犠牲となったハイジャック犯を除く2,753人の顔写真が祭られた部屋がある。特に消防士は救助に当たっていた 最中の
ビルの崩れの為、343人の多くがなくなった。まだ生まれていない胎児も何人かいた。
日本人も富士銀行行員初め20数名が 犠牲となった。
(写真2枚とも) 911記念堂の写真から
米国のIT大手アマゾンは直販もする。NYに新しくできたアマゾンブックス(書籍店)に入ってみた。普通本屋と言えば
本棚に縦に並んで陳列してあるが、ここはそうではない。横置きに並べられている。アマゾンは3000万冊以上の在庫を
持っている はずだが、この書店にあるのはほんの一握り。つまり、この書店ではアマゾンが集めたビッグデータの中から
売れ筋のベストセラー 本が並べてあるらしい。勿論、キャッシュレスだ。
(写真)アマゾンブックス 内部
最後は空港搭乗待合室。と言えば長々と椅子が並んだ光景を思い出すが、ミネアポリスで見た風景は違う。搭乗口半分の
スペースが オフィイスのようにタブレットが並び、スマホや電子機器の充電ができるようになっている。 その隣には、
軽食コーナーがあり、オーダーはタブレットに入力するだけ。支払いは手元にある、カードリーダーでスライドさせれば
終わり。登場待ちの時間も惜しんで通信やら、情報を集める米国の底力を見る事が出来た。
(写真)NY ラガーディア空港搭乗口の一部
(写真)ラガーディア空港搭乗口 オーダーは端末で、支払いはカードリーダーで
以上で2018年秋、NAPFA大会出席とそれ以外の訪問先の状況、更に進んだアメリカの一端を報告しました。
(了)