コバヤシアセットマネージメント > K-amジャーナル > 株価分析 原油と為替, その影響度合い
(2016/4/15)
16年になって大きく下げていた日本株はこの所、復調の兆しを見せている。その先行指標として、原油動向と為替のどちらがより株式市場に
影響を与えているかを調べて見たい。
一般的には為替と株式との関連は強いが、株式については円高になろうともクジラ(年金機構など)や日銀のETF対応で持ち支えて来ていると
見られ、人為的操作がされやすい。しかし、原油動向については日本政府としては、傍観者。この二つを見ると、当面原油価格の上昇が
日本株の上昇を誘導するようだ。しかし、OPEC内での意見集約が出来ている訳でなく、小刻みな展開になろう。
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大発会から6日連続安で始まった日本株。更に2月に入り、2/12までの最安値まで一気に▼2,566円(▼14.6%)下げた日経平均は4月に入り、
徐々に落ち着きを取り戻しつつある。
2月の一気の下げた原因は、1月29日の日銀のマイナス金利発表だ、マイナス金利は欧州では既に導入しているが、日本でもそこまで悲観的かと
捉えられた。金利が下がることによるメリットよりも、預金金利が一層薄利になると受け取られデメリットとして、日本経済の先行きを暗くした。
2月の初め、120円まで下げたドル円が10日足らずで10円近く円は上昇した。その後、2月の中旬から円高/ドル安の予兆が見える。
この頃、日本はシャープや東芝の日本の有名企業の弱体化が浮き彫りにされ、一方アメリカでは住宅着工件数や、新車販売台数、雇用統計など
経済指標が緩慢な上昇を示し、本来なら円安になると思われるところだが、反対に円高に向かっている。これはリスク時の円買いという予想
外の動きが見られる。
一方、株価としては、3月になると期末になり、外人投資家の売り越しは大きかったが、年金機構(GPIF)や日銀のリスク商品の購入、企業の
自社株買いなどによって、買い支えられた。GPIFは年間、5兆円以上の株式購入に資金投入しているし、日銀もETF購入に年間3兆円を予定して
おり、更に2月から追加で年間3000億円の資金投入も決まっている。
しかし、外人投資家の売り、1月1.0兆円、2月2.0兆円、3月1.9兆円と続く勢力に抵抗し難く、政府系の買い支えもむなしく株価は下げて行った。
日本株と為替との関連と言うよりも、外人投資家動向に左右されている市場の姿がある。
一方、手を出せない原油(WTI)は一時、30ドルを割り込んだ頃から市場は大手シェールガス生産会社の破たんがあったり、生産リグが底を
示したりして落ち着きを示していた。
原油の下げは消費国である日本にとっては、恩恵が大きい。特に原発がほとんど稼働していない時期に原油や天然ガスをエネルギーにしなけ
ればならない我が国にとっては慈雨である。家計にも灯油やガソリン代がさがり、ボーナスが来たようだと言われる。
しかし、この問題は廻り回って外国からくる。先ず、生産国である中東国のサウジやUAEなどが、投資に向けていたオイルマネーを自国の
財政支出の為に引き上げ始めた。その一因が、海外投資家の日本株売りだ。
また、アメリカ市場にとってはエクソンやシェブロンなど石油エネルギー関連企業のウェイトは大きく、NYダウは原油の上げ下げに連動する。
更にNYダウは東京株式に連動する。こうみると、下げを喜んでばかりいられない。
下のグラフは原油が上げに転じてくると、日本株式もつられて上げてくる様子を示している。
原油の動向としては、17日からのカタールでのサウジやロシアなど大石油産油国会議が生産増産に限度を設けるか、この会議に参加
しないイランをどう扱うかがポイントとなる。生産限度は設けられそうだが、イランは参加しないので、すぐに価格上昇にはならず、
ダラダラとした上昇傾向となろう。
(了)
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また、株式発行者の経営・財務状況の変化及びそれらに関する外部評価の変動等により、投資元本を割り込んだり、
その全額を失うことがあります。
株式発行者の信用リスク:市場環境の変化、株式発行者の経営・財務状況の変化及びそれらに関する外部評価の
変化等により売買に支障を来たし、換金できないリスクがあります(流動性リスク)。この結果、投資元本を割り
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また、債券発行者の経営・財務状況の変化及びそれらに関する外部評価の変化等により、投資元本を割り込んだり、
その全額を失うことがあります。一方、債券によっては、期限前に償還されることがあり、これによって投資元本を
割り込むことがあります。
債券発行者の信用リスク:市場環境の変化、債券発行者の経営・財務状況の変化及びそれらに 関する外部評価の
変化等により売買に支障を来たし、換金できないリスクがあります(流動性リスク)。この結果、投資元本を割り
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