コバヤシアセットマネージメント > K-amジャーナル > 株価下落時 一般投資家の対応は?
(2016/2/12)
■日経平均 6週間で▲21.4%
2月12日(金), 日経平均は14,952円で終えた。新年から6週を終え,昨年末の19,033円から、▲4,087円、▲21.4%となった。
新年になりマーケットの営業日は28日。内訳は8勝20敗。00年4月のITバブルの時の28日の▲22.0%に匹敵する下げだ。
毎日が、暴風雨で、凪(ナギ)の日はなかった。
1月29日、黒田日銀総裁が政策決定会合において5:4で、マイナス金利政策を決定した当初は好感されたに見えた。しかし、欧州や
アメリカ市場の下げを誘因するところとなり、世界株式市場の下げの連鎖が止まない。
■一般投資家の対応策は?
こうした、正常とは言えない為替・株式市場の中で、一般投資家はどう対応したら良いか?
先ず、言えることは異常の中で、PERもPBRもチャートも崩れていると考え、冷却期間が必要であり暫く様子を見た方がよい。
上記の様にまだ、ボラティリティーが高すぎて方向感が定まらない。
年初から4,000円も下げたが、市場はまだ底とは見えない。ドイツ銀行(代表的民間銀行)が9000億円の赤字決算発表した
ことや、資源価格下落によりベネズエラやアルゼンチン、またギリシャやポルトガルもリスクが高まってきた。政策当局も
G7+中国が集まっても対応策を打てるとは思えない。つまり、政策は手詰まり感の中で、リスク因子だけが分裂していく。
来週発表される日本の10-12月期実質GDP速報値も若干マイナスが予想され、これが更に大きなマイナスであると株価に影響を
与える。更に昨今の円高により、115円を想定為替としているトヨタなどの企業の業績を直撃することになり、下方修正が出てくる。
GDPの6割は個人消費だが、春闘での賃上げも1月からの経済環境悪化から経営者側は慎重姿勢を見せる。又設備投資も抑制方向。
市場はまだ下げの要素が大きい。
こうした中、一般投資家としては、久しぶりの購入機会と考えられる。しかし、荒れ相場の中では、最適な時期は計れない。
毎週定額購入も良い方法だ。大きなトレンドを見誤らないことが大切。修正の勇気も併せ持つこと。
■今後の株価の見通し
昨今の株価が変動する要因として、次の様なことが挙げられる。
・東証売買シェアーの6割を超える外人投資家がヘッジファンドも絡めて商いをしてくる。影響力は大。
・今や貿易相手国として、米国を抜いてトップとなった中国の急激な経済減速。特に日本からの輸出企業への影響。
中国を最大の貿易相手国としている東南アジアや韓国、又欧州の経済の落ち込みによる間接的な影響。
・昨年8月の人民元切り下げによる上海市場の下落
・昨年12月のアメリカFOMCによる9年半ぶりの利上げ +0.25%
・1月中国の稚拙なサーキット・ブレーカー導入制度による市場混乱
・1月、ECBドラギ総裁の3月にも金融緩和を示唆発言
・1/28、ドイツ銀行 15年決算で68憶ユーロ(約9,000億円)の赤字を発表。アメリカ不動産関連商品の販売でリスク説明が
不十分。又ロンドン銀行間取引(LIBOR)の不正取引、国内での顧客との訴訟費用に年52憶ユーロ(約6800億円)掛かる
見込み。フォルクスワーゲンの燃費不正ソフト操作と並び、ドイツ最大の民間銀行だけに、厳しく見られている。
(2/13追記 ドイツ銀は2/12自ら発行の債券を買い戻しを発表。規模は総計で6000億円。このため、市場心理は収まったように
見えるが、他の大手銀行の不安は尚残る。)
・1/29、日銀マイナス金利導入 +0.1%⇒-0.1% 銀行業界株式大幅下げ、REIT指数上昇
・2/11、FRBイエレン議長、議会証言で3月利上げを延期を示唆。
円が一時110円台まで上昇し、トヨタなど輸出企業を中心に株が大幅下落。
こうした結果、他に突発的な事案が発生しなければ、これまで115円、15,000円として来たボトムラインは10%は下方修正され、
13,500円は覚悟しておいた方が良い。
■来週の主要経済カレンダー
2/15(月)08:50 日本 10-12月期四半期実質GDP速報値(年率) 前回 1.0% 予想 ー0.8% (2/15追記 結果 -1.4%)
2/16(火) 日本 15年所得税の確定申告期間のスタート(3/15まで)
2/17(水)08:50 日本 12月機械受注統計(前月比) 前回 -14.4% 予想 4.5%
28:00 米 FOMC議事要旨
2/18(木)21:30 欧州 ECB理事会議事要旨
2/19(金)22:30 米 1月消費者物価指数(CPIコア指数)(前月比) 前回 0.1% 予想 0.2%
米 1月消費者物価指数(CPI)(前年同月比) 前回 0.7% 予想 1.3%
(了)
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投資リスクについて
1. 株式
価格変動リスク: 株価の変動により投資元本を割り込むことがあります。
また、株式発行者の経営・財務状況の変化及びそれらに関する外部評価の変動等により、投資元本を割り込んだり、その全額を
失うことがあります。
株式発行者の信用リスク:市場環境の変化、株式発行者の経営・財務状況の変化及びそれらに関する外部評価の変化等により売買に
支障を来たし、換金できないリスクがあります(流動性リスク)。この結果、投資元本を割り込むことがあります。
2. 債券
価格変動リスク: 債券の価格は、金利変動等により上下しますので、投資元本を割り込むことがあります。
また、債券発行者の経営・財務状況の変化及びそれらに関する外部評価の変化等により、投資元本を割り込んだり、その全額を
失うことがあります。一方、債券によっては、期限前に償還されることがあり、これによって投資元本を割り込むことがあります。
債券発行者の信用リスク:市場環境の変化、債券発行者の経営・財務状況の変化及びそれらに 関する外部評価の変化等により売買
に支障を来たし、換金できないリスクがあります(流動性リスク)。この結果、投資元本を割り込むことがあります。
3. 外国株式・外国債券
為替変動リスク:外国株式や外国債券等の外貨建て金融商品では、為替の変動により投資元本を割り込むことがあります。
4. 外貨建て証券
為替変動リスク:投資対象が外貨建て証券(例えば海外市場に上場にしている株式、外国政府・公的機関・企業等が発行する債券)
では、前述の株式、債券のリスクに加え、為替の変動により、投資元本を割り込むことがあります。例えば、売却・契約時に投資
時期よりも、円安・円高で手元に戻る円貨の額が変わり、円高の場合には投資元本を割り込むことがあります。また発行した国や
地域、適用する通貨発行国の経済状況や政治状況の変化等により売買に支障をきたし、換金ができないリスクがあります。
(流動性リスク)
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為替変動制リスクを内包しています。
このため、投資元本を割り込んだり、換金ができなかったり、その全額を失う事があります。
6. 投資する国や地域について
カントリーリスク:投資した国や地域により、その国や地域の政治・経済・社会情勢の不安定化や混乱などで等した資金のすべて、
又は一部が回収できないことがあります。
戦争や内乱、経済危機がある又は予見される国や地域に投資することは各リスクが極めて高くなります。