コバヤシアセットマネージメント > K-amジャーナル > 広島原爆 投下のもう一つの理由
(2016/5/31)
今回、このHPで初めて経済以外のジャンルについて、書くこととする。
第44代アメリカ大統領、バラク・オバマ氏が現職大統領として5月27日、初めて広島市を訪問した。
こうした映像を見ることが出来るとは、そして日本国民が彼の来訪を冷静に歓迎できる環境の中で迎えられるとは
予想以上の成果と感じる。
私の大学の卒業論文はのテーマは、『アメリカはなぜ原爆を投下したか?』である。
つまり、広島原爆は私の終身で追っているテーマである。
今回、一連の報道の中で、オバマ大統領が広島を訪問するに際して、心したポイントは三つ。
① 謝罪はしない。
② 原爆投下は戦争終結を早め、多くのアメリカ兵士の命を救った。
③ 原爆の惨禍を世界が知り、核の廃絶を進める機運を高める。
しかし、この中に入っていない別の理由があったことをどの報道でも見ない。
それは1945年8月のアメリカ大統領トルーマンと、ソヴィエト連邦共和国スターリンの争いにおいて、両国の主導権を
めぐる後ろ盾として広島・長崎の原爆が使用されたのだ。
ドイツ降伏により、8月9日にはいよいよ対日参戦するソ連。参戦すれば、太平洋、アジアに大きな利権が得られる。
アメリカとしては、ソ連に対して戦後のイニシアティブをどうしても確保しておきたかった。
今、広島原爆資料館に行くと、原爆投下の背景として、『米国の戦後のイニシアティブ確保の為』と真正面から書いてある。
勿論、今これをテーマにすることは時期的に適切ではないかもしれないが、もう一つの理由を忘れてはならない。
(了)