コバヤシアセットマネージメント > K-amジャーナル > (No.247) 今年の世界株式市場の考察
(2020.12.22)
⇒ 株式市場に最も影響を与えているのは、新型コロナウィルス
⇒ 世界市場で欧州と香港を除くアジア、北米は5~20%のプラス
⇒ NSADAQは19年に続き20年も大幅上伸
———————————————————————————-
今年も残り2週間を切った。少し早いが、そろそろ今年の世界の株価の総括をしても良い時期となった。
今年の株価に影響を与える要素としては、1)新型コロナウィルスの感染拡大とワクチン開発、2)米中通商摩擦、
3)米大統領選、4)英国のEU離脱、5)香港の一国二制度の崩壊危機などが挙げられる。
中でも新型コロナウィルスの世界蔓延の影響は2008年のリーマンショックの何倍もある被害をもたらしつつある。
IMFでも、世界の被害額として今年から6年間で3000兆円と見込んでいるし、この金額は未だ膨らむ可能性を
持っている。
望みは、コロナワクチンだ。現在、米国で2種、英国で1種のワクチンが実用段階に入り、日本でもこれらを
輸入して来年3月頃から接種が始まる見込みだ。日本の製薬会社も政府から研究開発費を受給して開発に務めて
いるが、日本では2021年年末になりそうで周回遅れ。
2021年の世界のビッグイベントは、東京オリンピックだ。コロナで1年延期になったが、それまでに収束の
目途が付かない中、ワクチンの投与に期待がかかる。仮に、オリンピックが中止になると、日本からの資金
離れが一挙に進むことになる。
今年世界の株価が最も下げた時期は、3月23日頃だ。この頃の株価を年初来高値であった1月17日の株価と
比較すると、上海のー15%を除き世界のほとんどの株価が30~37%マイナスの下落率である。
日経平均は、30%のマイナス。この時東証1部の時価総額は495.5兆円まで下げた。この時価総額は、
12月18日時点では679.4兆円となっており、37%回復している。
2020年の世界の株価の騰落率は下記表の通りである。
日本の日経225は、11月中旬に26,000円台に達し、29年ぶりの回復を見せた。年末にかけて27,000円を伺う。
2020年の世界株式市場を俯瞰的に見ると、未だコロナの影響が大きい欧州以外は香港を除き5~20%の上昇率を
確保した。中で、特筆すべきはNASDAQの強さだ。
NASDAQには、アップル、アマゾン、マイクロソフト、グーグル、フェイスブック、テスラなどインターネット
関連の企業が多いのが特徴だ。我々の生活パターンを大きく変えつつあるこうした将来の望みを持った新機軸を
作る企業に世界中から資金が集まる。
折から、世界の中央銀行は、コロナ対策として従来の枠を超えた資金の大量供給に動いている。その資金は
産業開拓に向かうより、手っ取り早く金融市場に流入している。
(了)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
© 2019-2020 小林治行(コバヤシ アセットマネージメント)
本情報は当所の業務内容に掛かる投資情報の提供であり、記載されている情報は、予告なく内容を変更する場合が
あります。
投資に関する最終判断は、ご自身の判断と責任において行って下さい。
【金融商品取引法第37条(広告等の規制)に掛かる留意事項】
商号等 小林 治行 (コバヤシ アセットマネージメント)
所長 小林 治行
投資助言業 関東財務局長〈金商〉第2841号
加入協会 一般社団法人 日本投資顧問業協会
手数料等
投資助言の契約の前には、「投資顧問契約の契約締結前交付書面」を良くお読み頂き、ご納得のうえご契約頂きます。
報酬等は「投資顧問契約の契約締結前交付書面」又は、ホームページの投資助言業のページをよくご覧ください。
投資リスクについて
1. 株式
価格変動リスク: 株価の変動により投資元本を割り込むことがあります。
また、株式発行者の経営・財務状況の変化及びそれらに関する外部評価の変動等により、投資元本を割り込んだり、
その全額を失うことがあります。
株式発行者の信用リスク:市場環境の変化、株式発行者の経営・財務状況の変化及びそれらに関する外部評価の
変化等により売買に支障を来たし、換金できないリスクがあります(流動性リスク)。この結果、投資元本を割り
込むことがあります。
2. 債券
価格変動リスク: 債券の価格は、金利変動等により上下しますので、投資元本を割り込むことがあります。
また、債券発行者の経営・財務状況の変化及びそれらに関する外部評価の変化等により、投資元本を割り込んだり、
その全額を失うことがあります。一方、債券によっては、期限前に償還されることがあり、これによって投資元本を
割り込むことがあります。
債券発行者の信用リスク:市場環境の変化、債券発行者の経営・財務状況の変化及びそれらに 関する外部評価の
変化等により売買に支障を来たし、換金できないリスクがあります(流動性リスク)。この結果、投資元本を割り
込むことがあります。
3. 外国株式・外国債券
為替変動リスク:外国株式や外国債券等の外貨建て金融商品では、為替の変動により投資元本を割り込むことが
あります。
4. 外貨建て証券
為替変動リスク:投資対象が外貨建て証券(例えば海外市場に上場にしている株式、外国政府・公的機関・企業等が
発行する債券)では、前述の株式、債券のリスクに加え、為替の変動により、投資元本を割り込むことがあります。
例えば、売却・契約時に投資時期よりも、円安・円高で手元に戻る円貨の額が変わり、円高の場合には投資元本を
割り込むことがあります。また発行した国や地域、適用する通貨発行国の経済状況や政治状況の変化等により売買に
支障をきたし、換金ができないリスクがあります。
(流動性リスク)
5. 投資信託(上場投資信託=ETFを含む)
投資信託は、その投資信託が投資としている資産(例えば株式、債券、商品等)により、価格変動リスク、信用
リスク、流動性リスク、為替変動制リスクを内包しています。
このため、投資元本を割り込んだり、換金ができなかったり、その全額を失う事があります。
6. 投資する国や地域について
カントリーリスク:投資した国や地域により、その国や地域の政治・経済・社会情勢の不安定化や混乱などで投資し
た資金のすべて、又は一部が回収できないことがあります。
戦争や内乱、経済危機がある又は予見される国や地域に投資することは各リスクが極めて高くなります。