コバヤシアセットマネージメント > K-amジャーナル > 五輪と株価の関係
(2013.10.30)
ここまで五輪と経済の関係を見てきたので、最後は五輪と株価の関連性について見てみる。
五輪はほぼその開催の7年前に決まる。
見たいのは決定時から開催時、さらにその後2年後までの株価の推移に特徴があるのかどうかだ。
1996年以降の夏季五輪開催国の株式市場の動きー資料:日興アセットマネジメント
http://www.nikkoam.com/files/fund-academy/rakuyomi/pdf/raku130821_01.pdf
上記日興AMの資料には1996年のアトランタ、2000年のシドニー、2004年のアテネ、2008年の北京、2012年のロンドンの株価市場10年間の推移が載っている。
これによると、決定⇒開催時⇒2年後、そして決定から開催2年後までの9年間の最高値をチャート各主要株式市場指数をもとに追ってみる。(チャートを基に見ているので数字は概数となる。)
決定時 開催時 2年後 期間最高値 *
1996 アトランタ 3,000 5,800 8,200 9,500 (23ヶ月後)
2000 シドニー 1,900 3,200 3,000 3,400 (16ヶ月後)
2004 アテネ 1,800 2,200 4,000 6,400 (4年11ヶ月前)
2008 北京 2,000 2,800 3,000 6,200 (11ヶ月前)
2012 ロンドン 5,300 5,800 – 6,700 (4年8ヶ月前)* 期間は決定~開催後2年間の計9年間
これによると、決定時から開催時までの時間差では株価はすべて上昇している。
アトランタは1.9倍、シドニー1.7倍、アテネ1.2倍、北京1.4倍、ロンドン1.1倍。
しかし最高値を付けた時期はマチマチで定石はない。
株価は単に五輪だからと言って上昇するものでないことを示している。
しかし、一般的に施設の資本支出は1年前には終わっていることも考慮していて良さそうだ。