VIX指数からみる米国株式市場

VIX指数からみる米国株式市場

(2020.1.14)

⇒ VIX指数から見ると18年は30超えが3回あったが、19年は30超えはなし

⇒ VIX指数は20を超えると危険域に入ると見て良い。しかし、短期での判断は逆に慌て売りになる。

      必ず収束と信じて、長期的視野が必要。

 

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1. 両市場の相関関係

ニューヨーク市場は日本時間06:00に取引が終わる(夏時間は05:00)。そして、その3時間後に市場が

開ける東京市場に大きな影響を与える。

一方は上げると、片方も上げる、一方が下げれば、片方も下げる、こうした関連のある動きを「相関関係が

ある」という。

プラス1では、全く同じ動きを示し、マイナス1では全く逆な動きを示す。

 

日経平均とダウの株式市況は双子のようだ。

2018~2019年の2年間でNYダウと日経平均株価の相関関係を見てみると次のようになる。

'200113_日経とダウの相関係数

18年が0.8、19年が0.86となる(エクセルのCORREL関数で計算)。つまり、8割以上が関連があるという事だ。

この事は、東京市場が開く前に、NY市場の動向を見れば、東京市場の動きの方向性が計算上では約8割の確率で

当たるという事になる。

 

2. VIX指数と株式市場の関連

VIX指数とは、Volatility Indexの略で、シカゴオプション取引所がS&P500のオプション取引の値動きをもとに

算出・公表している指数。一般的に数値が高いほど、投資家が先行きに対して不安を感じているとされ、

「恐怖指数」とも言われている。株式市場が上昇すれば、VIX指数は下降するという傾向にある。

この二つの数値の相関係数をとって見ると、18年が-0.66、19年が-0.69となる。(同じくCORREL関数による計算)

マイナスが付くので、負の相関関係があるという事が分かる。

VIX指数は、リアルタイムに発表されているが、VIX指数から読み解くものは何かを見てみよう。

 

次のグラフは、18年年初から19年年末までの2年間の米国のVIX指数と、NYダウの株価を表したものだ。

 

'200114_VIXと株式市場()

 

18年には30を超えるVIX指数が、3度現出している。1回目は18年2月5日でこの日はNYダウは1日で、1,175ドル下落した。

その背景には、FRBの利上げ観測が高まり、投資家に先行き不安感を与えたことだ。

2回目は2月8日で、株価は1,033ドル下げ、VIX指数は33.46だった。

3回目は18年12月24日、株価は653ドル下げ、VIX指数は36.07に。トランプ大統領が掲げた対中国への貿易関税を引き上げた

ことを受けて、市場では世界の景気停滞を懸念して、株価が大きく下げた。

しかし、12月4日には799ドル下げたにも拘らず、VIXは20.74とは、セオリー通りではないことを教えてくれる。

'200114_VIX

 

18年の第4四半期は、米中貿易摩擦の影響で大きく下落した。18年10月3日には26,828ドル VIX11.61で18年の最高値を

記録したその後、12月24日まで約80日で5,036ドル下げ、21,792ドルの18年最安値を記録した。率にして23%の下落。

 

こうしたグラフ・表から見て、19年は比較的温暖的市況であったことが分かる。グラフから見ても赤いVIX指数は

19年の方が低い。年間のVIX指数の平均値は18年が16.88、19年が15.35である。

 

これらから以下のことが読み込むことができる。

1)株式市場が下げる要因としては、利上げや貿易摩擦、また紛争などが挙げられる。

これらは自然災害とは異なり、事前に状況把握が可能で準備ができるものである。

2)グラフから見れることは、VIX指数は20を超えると異常値と読み取って良い。

3)株価とVIX指数は負の相関関係にはあるが、変動の幅は異なるという事。

予期しない急激な変化であって想定外であれば、VIXは大きく反応する(ケーオスの状態)。一方想定範囲内であれば、

株価下落の割にVIXは中庸的に変動する。

 

但し言える事は将来、株価もVIX指数もいずれ収束するので、短期的視点で市場を読み解くことは逆に危険を

取り込むことになる。中期的視野で指数も株価チャートも見ておかねばならない。

長期、分散、積立、低コスト」の投資黄金格言は変わらない。

 

(了)

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