(No.237) VIX指数、約40日ぶりに40割れ 但し一過性も

(2020.4.15)

(No.237)   VIX指数、約40日ぶりに40割れ 但し一過性も

 

⇒ VIXは3月6日から4月13日まで40超が常態化 最大は3/16日の82.69  

  しかし、これは一過性であって、安定的と見るには20を下回ることが必要

⇒ リーマン時と違うのは、戦う相手が見えないこと。ワクチンも、薬も未だ無い。

⇒ 世界経済成長率からみて、リーマン時より更に深刻な落ち込みが想定される

 

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1. VIX指数の変遷

「恐怖指数」とも言われるVIX指数をみると、最悪期は脱しそうな兆候を示している。

VIX,又はVIは「ボラティリティ指数」とも言われ、株式市場が急激に下落すると、VIX指数は上昇する

傾向にあり、株価とVIXは逆相関の関係にある。

(VIXはニューヨーク市場、VIは東証市場)

4月14日にVIX指数が、潮目と言われる40を割った。3月6日から約40日ぶり。

しかし、安定的と言われる20を大きく超えている現状では、まだまだ警戒が必要だ。

 

2月中旬頃までは、平穏な市場だった。NY市場はその頃年初来最高値を示していた。

それが2月下旬になり、急に株価を下げ、VIX指数が跳ね上がった。

それまでは新型コロナウィルスは中国の武漢、湖北省、韓国、日本のクルーズ船などアジアを中心として

いたものが、急激にイタリアやイランなどで拡大して、米国も東西の海に面した州で感染爆発を見せて来た。

NY市場で、週明けの2月24日、いきなりダウが1,031ドルも下げ、この週だけで3,583ドルも下げた。

そして2月28日にはVIXが40を超えて、一旦下げたものの3月6日からは40越えが常態化した。

VIXが最悪だったのは、3月16日の82.69。

過去、80越えをしたのは、リーマンショック時の2008年10月24日の89.5まで遡る。

 

注意すべきは、新型コロナの猛威が収束していないこと。ハーバード大の研究者の予測では新型コロナは

2次・3次と押し寄せ、終息の為には2022年まで外出規制は必要との論文も出た。

となると心配は、1年延期した東京五輪はどうなるのか。

個人的には、ひたすら外出を控え、「3密」に身をさらさないようにするしかない。

5月いっぱいは巣ごもりが必要としか言いようがない。

 

 

'200415_VIXと騰落レシオ

 

2. リーマンショック時と新型コロナとどちらが経済への影響が大きいか

4月14日、IMFの世界経済予測によれば、2020年の世界の経済成長率は▼3.0%と発表した。

日本▼5.2%、米国▼5.9%、ユーロ圏▼7.5%、英国▼6.5%、中国1.2%と予測した。

この予測は、リーマンショック後の09年(▼0.1%)を大幅に下回る見込みとなる。

 

4/15日付日経新聞によれば、IMFはこれまで20年の世界の名目GDPを約90兆ドルと見込んでいたが、

今回の下方修正により単純計算では5兆ドル(540兆円)を失う事になると伝えた。リーマンの時は

2兆ドル超との見立てをも上回る。

こうした危機に対し、IMFの試算では世界各国で約8兆ドル程度の財政出動を計画していると見ている。

懸念されることは、雇用情勢や、企業の資金繰り。

日本政府の対応は、世界の対応に比較して経済再活性に比重を置いているようにしか見えない。

スピードが必要なのに。

 

(了)

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