(No.249) 今の株価はバブルか?

(2020.2.9)

 

(No.249)  今の株価はバブルか?

⇒ 2月に入り、日本は30年ぶりの高値、米国は過去最高値を記録

⇒ PERを見ると、ここ10年の推移と大きな変化なし 現行22~25倍ほど

⇒ バブル期にはPERが150倍という時も

 

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1. 好調な株式市場

2月に入り市場が活発だ。3週間ほど前に米国市場で、一部小型株(ゲームストップ)がSNSの書き込みによって、

空売りが始まり、2018-19年頃は30~40ドルだった株が、1月28日には483ドルという夢遊市場相場があったが、

それも収まりやっと本来の市場に戻った。

1月に入り、ジョー・バイデン氏が米国第46代大統領に就任し、何かともめごとが多かったトランプ政権から、

米国の政治も安定を期待させるものとなった。更に、欧米では新型コロナウィルスのワクチンの投与が始まり、

副作用の不安も残す中、兎も角安心を求め注射を待つ列が続く。

日本でも今月には医療従事者を優先的にワクチン摂取が始まる見込みで、先行きの安定性を見せている。

更に、日米共に企業の決算発表で上方修正が続き、米国GAFAの好決算や、日本でもソニーが最終益1兆円到達の

ニュースや、ソフトバンクグループが且つて日本企業では見たことのない1-3四半期の9ケ月間で3兆円の利益を

あげるなど市場予想を上回る発表が市場を一層後押しをしている。

 

表1の「日経平均・NYダウ・NASDAQの株価推移」(2015年末=100として2月5日まで)を見ると、昨年2月~4月

頃までに新型コロナに対する世界の冷凍付けの状態から、この上昇度合いはバブルではないかと不安を持つ人もいる

かも知れない。

推移をみると、2016年初めから直近(2/5)まで日経平均は1.51倍、NYダウは1.75倍、NASDAQは2.76倍にも大きく

値を上げている。バブルだろうか?

 

(表1)

'210209_主要株価推移

 

2. 株式市場はバブルか?

バブルについての明確な定義はない。しかし私達がバブルという時代は、1985年のプラザ合意で円高政策に

向けた時辺りから1989年末の日経平均株価が38,915円を付けた時までと一般的には言われている。

今の株価は異常に高騰しているのか否かを検証する指標として、PER(株価収益率)がある。

PERは株価が割安か割高かを判断するための指標だ。算式はPER=株価/1株当たりの当期純利益で表す。

 

2020年末は22.6倍だったが、表2に示すようにここ10年程は20倍前後で推移している。

1989年頃の本来のバブル期には、PERが150倍あったし、このグラフには出ていないが2003年末には

96.7、2001年末には61.4という時代もあった。

東証1部時価総額は昨今では25~26倍にジワリと上がってきているが、バブルという程ではない。

グラフの時価総額に見るように、最安値は東日本地震のあった2011年で251兆円。それが昨年末では

667兆円。そして2月3日には3年ぶりの700兆円を越え市場最高値を記録した。100兆円を超えるのに

3~4年掛かっている。

 

 

 

 

(表2)

'210204_東証1部時価総額・PER推移

(了)

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