コバヤシアセットマネージメント > K-amジャーナル > ’18年2月 月間経済を見る
’18年2月 月間経済を見る
(2018.2.28)
2月を俯瞰して見ると、月初に米国に起因する大幅な株式下落があり、未だ各市場の回復は道半ばだ。
米国FRBの議長にジェローム・パウエル氏が就任することになり、その手腕が注目をあつめる。
同じく中央銀行総裁として、日銀黒田現総裁の再任が内定した。
VIX指数が急に顔を出した瞬間だった。仮想通貨も大幅下げもテーマになった。
今月はオリンピック冬季大会が9日で韓国平昌で開催され、北朝鮮の「ほほえみ外交」が異色の注目を集め、
政治五輪とも言われた。
——————————————————————————————-
1)株式市況
2月の世界株式は2月2-9日の1週間で、大きく下げた。 上海総合▼9.62%、香港ハンセン▼9.49%、
日経平均▼8.13%、インドSENSEX▼3.03%、NYダウ▼5.21%、ユーロストック50▼5.62%、英国FTSE100
▼4.72%。
2月27日現在、NYダウが半値戻しをしている以外、これら市場は今年最高値の半値にも達していない。
まして61.8%のフィボナッチ線までは更に遠い。
原因がはっきりしないことは、1987年10月19日のブラックマンデー(下落率22.6%)に相似していると以前
このジャーナルでも書いた通りその原因は明確でない。黑い霧のようなブラックマンデーが、同じ株価に
戻ったのは半年後。
しかし、今回はブラックマンデーと比較するまでもなく小規模だった。
その原因と言われるのがVIX指数。米国シカゴ・オプション取引所で、S&P500を対象とするオプション取引の
値動きを基に公表されている指数。2月2日には17.31だった指数は、翌営業日の2月5日いきなり37.32に
跳ね上がった。これに驚いたという説。その後8日には33.46と幾分はねたが、27日現在18.59と並みの状態を
戻している。
又別の原因として長期金利の急な上昇とも言われる。確かに国債利回りカーブは急な上げに見える。米国10年国債
利回りは2月21日の2.94%をピークとし、同30年国債利回りは2月22日の3.21%をピークとして以後なだらかな
減少になっている。0.5%程度の急な変動がマーケットを刺激したかも知れない。
日経平均は4番底までの8日間で▼9.1%、NYダウは3番底までの5日間で▼8.9%の下げだった。単純比較は
できないがブラックマンデーの1/3程度の規模と考えてよい。とすれば回復には2ケ月程度要するか。
2)仮想通貨
1月26日、仮想通貨「NEM」(ネム)に、580億円の外部流出事件が発生。「ビットコイン」価格が昨年1年間に
20倍にも高騰した後、今年に入り急落が報道されていた最中の出来事だ。
規制当局も犯罪の構図が未だ判明していない段階での対応は出遅れている。
3)五輪・パラ
オリ・パラの機会に北朝鮮当局は「ほほえみ外交」を仕掛けて来た。元より韓国の文大統領は南北統一路線を
目指している。国連でゆるぎない国際間の経済制裁を進めている右手で、統一のフェロモンを送り出す左手を出す。
矛盾とはこのことだ。
パラリンピック終了後、緊張は元に戻る。
4)中央銀行総裁
米国では今月ジェローム・パウエル氏がFRB議長に就任することになった。その指針はこれまでのイエレンさんとは
大きく違わないと言われている。関心事はインフレ目標2%への対応。それに今年何回利上げを行うかという観測だ。
2月27日の初の議会証言で、利上げ回数を増やす可能性に触れたことで今年は4回説も出て来た。
追記)3月早々に発表する当事務所の月報もご参照下さい。
(了)
**********************************************************************
本情報は当所の業務内容に掛かる投資情報の提供であり、記載されている情報は、予告なく内容を変更する場合が
あります。
投資に関する最終判断は、ご自身の判断と責任において行って下さい。
【金融商品取引法第37条(広告等の規制)に掛かる留意事項】
商号等 小林 治行 (コバヤシ アセットマネージメント)
所長 小林 治行
投資助言業 関東財務局長〈金商〉第2841号
加入協会 一般社団法人 日本投資顧問業協会
手数料等
投資助言の契約の前には、「投資顧問契約の契約締結前交付書面」を良くお読み頂き、ご納得のうえご契約頂きます。
報酬等は「投資顧問契約の契約締結前交付書面」又は、ホームページの投資助言業のページをよくご覧ください。
投資リスクについて
1. 株式
価格変動リスク: 株価の変動により投資元本を割り込むことがあります。
また、株式発行者の経営・財務状況の変化及びそれらに関する外部評価の変動等により、投資元本を割り込んだり、
その全額を失うことがあります。
株式発行者の信用リスク:市場環境の変化、株式発行者の経営・財務状況の変化及びそれらに関する外部評価の
変化等により売買に支障を来たし、換金できないリスクがあります(流動性リスク)。この結果、投資元本を割り
込むことがあります。
2. 債券
価格変動リスク: 債券の価格は、金利変動等により上下しますので、投資元本を割り込むことがあります。
また、債券発行者の経営・財務状況の変化及びそれらに関する外部評価の変化等により、投資元本を割り込んだり、
その全額を失うことがあります。一方、債券によっては、期限前に償還されることがあり、これによって投資元本を
割り込むことがあります。
債券発行者の信用リスク:市場環境の変化、債券発行者の経営・財務状況の変化及びそれらに 関する外部評価の
変化等により売買に支障を来たし、換金できないリスクがあります(流動性リスク)。この結果、投資元本を割り
込むことがあります。
3. 外国株式・外国債券
為替変動リスク:外国株式や外国債券等の外貨建て金融商品では、為替の変動により投資元本を割り込むことが
あります。
4. 外貨建て証券
為替変動リスク:投資対象が外貨建て証券(例えば海外市場に上場にしている株式、外国政府・公的機関・企業等が
発行する債券)では、前述の株式、債券のリスクに加え、為替の変動により、投資元本を割り込むことがあります。
例えば、売却・契約時に投資時期よりも、円安・円高で手元に戻る円貨の額が変わり、円高の場合には投資元本を
割り込むことがあります。また発行した国や地域、適用する通貨発行国の経済状況や政治状況の変化等により売買に
支障をきたし、換金ができないリスクがあります。
(流動性リスク)
5. 投資信託(上場投資信託=ETFを含む)
投資信託は、その投資信託が投資としている資産(例えば株式、債券、商品等)により、価格変動リスク、信用
リスク、流動性リスク、為替変動制リスクを内包しています。
このため、投資元本を割り込んだり、換金ができなかったり、その全額を失う事があります。
6. 投資する国や地域について
カントリーリスク:投資した国や地域により、その国や地域の政治・経済・社会情勢の不安定化や混乱などで投資し
た資金のすべて、又は一部が回収できないことがあります。
戦争や内乱、経済危機がある又は予見される国や地域に投資することは各リスクが極めて高くなります。