コバヤシアセットマネージメント > K-amジャーナル > 米国景気、リセッションは来るのか来ないのか
(2019.9.15)
⇒ 日米株式市場 8~9連騰で活況
⇒ 米国の経済指標から見ると、悪化とは言い切れない
⇒ 米国債利回り差から逆イールドが発生するも、当面の世界政治情勢で谷は遠のくか
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日米株式が連騰している。
9月13日までの日経平均株価は9連騰で、この間の値上がり額は1,368円、+6.6%。17年10月の16連騰に
次ぐ連騰だ。16連騰は17年10月24日まで続き、この間の値上がりは1,449円、+7.1%だった。
同じく13日までのNYダウ株価は8連騰で、この間の値上がりは1,101ドル、+4.2%だ。
米中貿易戦争で、トランプ大統領のツイッターの書き込みを見て楽観的とか悲観的とかの内容次第で、市場は
右往左往される。
7月30-31日のFRBの政策決定会合で、米国は景気後退の兆しがあるとし9年ぶりに0.25%政策金利を下げた
のではなかったか。
米国の国債利回りが逆イールドになると約1年後ほどに景気の谷に入るという過去のトレンドをみて、3月には
3ケ月ものと2年物の利回りが逆転し、8月14日には2年ものと10年ものの利回りが逆転した。いよいよその日が
近づいて来たかの感をもって警戒して構えているのに、この8連騰とか9連騰とは何を意味するのか。
いったい景気は良いのか悪いのか。
米国の経済指標から見てみる。
上記表は米国の主要経済指標を年平均し、比較したもの。
これによると、確かに全般的には19年の指標は18年に比して悪化していると言えるが、失業率、平均時給と
小売売上高は好転していることもあり、全面的に悪化とも言い切れない。
米国では主要指標として特に雇用統計が重視されている。
労働省発表の「非農業部門雇用者変化」も「ADP雇用統計」も極端に悪化とも言い切れない。
短期の利率が、長期の利率を上回ると「逆イールド」と言われる。過去のデータから逆イールドが発生すると
それから1年程後に景気の下落が来ると警戒される。
それが今年は現れた。先ず3ケ月物と2年物もので3月22日に現出した。この逆差傾向は以来直近まで
進行中で、それに加え2年物と10年物にも8月14日、逆イールドが現れた。ほんの数日であったが、
現出したこと自体が市場を騒がしている。
これ等のことから観察すると、米国の経済はリセッションに入っているとは言えず、米中貿易協議や
英国のEU離脱問題がソフトランディングすると景気の谷は尚先に延びると思われる。
(了)
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