コバヤシアセットマネージメント > K-amジャーナル > 病める米中 ~経済格差と生産過剰
(2016/3/21)
アメリカは今、政治も株式市場も活気がある。政治は今年は大統領選挙の年で、共和党トランプ候補、民主党は
クリントン候補が優勢と伝えられている。中でも、トタンプ候補は、「異端」の名を追い風にして、打たれれば
打たれるほどメディアが取り上げてくれ、中盤戦でも異端から本物になるかも知れない可能性すら出て来た。
トランプ候補台頭の背景として、病めるアメリカの実態がある。FRBによると、アメリカでは上位3%の
高所得者が富の過半数を占め、この割合は上昇しつつある。上位5%で63%を占めるとも言われる。(日経新聞)
失業率が下がり、企業業績が好調で、原油価格が下がることはボーナス的余禄ともなっているアメリカ。個人
消費も盛んだ。人口も増加している。しかしそこにも問題がある。白人の割合が1965年の84%。2015年は62%。
2065年には46%まで落ち込む見込みだという。白人がマイノリティーになるかも知れぬという不安感、苛立ち、
移民排斥の動きがそこにある。トランプ候補を支持する理由の根は深い。
中国。3/16に全人代が終了し、「新経済の発展を加速させる」として、鉄鋼、石炭などの過剰設備のゾンビ企業の
整理を進めることを決めた。その結果、180万人の余剰人員が出ることが予想される。中国ではリーマンショック
直後の2008年12月、景気対策として、4兆元(当時のレートで約57兆円)の金融緩和と財政出動を行った。
粗鋼生産では世界の半分(約8億トン)を占めるようになったが、その内3億トンは余剰となり、ダンピングで
世界鋼材市場の価格を下げる要因となった。
中国のGDPは2016年は6.5%と、それでも日本から見れば高く見えるが、危険な兆候もある。中国では、先ず
成長目標があり、地方政府はその目標達成の為に、たとえ過剰在庫とあっても生産を続けるという宿命がある。
地方役人にとっては未達成は更迭だ。経済減速は中央が考える。謂わば問題の先送りという図式。
ゴーストタウンのようなマンション群がある街で、建設ラッシュが並行して進むようなちぐはぐな状況で、経済
減速が進んでいない。
中国の過剰債務が膨らむ。国際決済銀行によると、中国のGDPの2倍を超えた。(日経新聞) 金融機関を
除いた2015年9月末で、21.5兆ドル(2578兆円)の債務で、GDPで205%に上昇した。
中国の場合は、お国柄によって、節約型よりも運動しながら体形をスリムにしよう考える体質だ。
二ケタ増の軍事費も削減出来ず、習政権は問題を内包し、先送りしながら前に進む。
(了)
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価格変動リスク: 株価の変動により投資元本を割り込むことがあります。
また、株式発行者の経営・財務状況の変化及びそれらに関する外部評価の変動等により、投資元本を割り込んだり、
その全額を失うことがあります。
株式発行者の信用リスク:市場環境の変化、株式発行者の経営・財務状況の変化及びそれらに関する外部評価の
変化等により売買に支障を来たし、換金できないリスクがあります(流動性リスク)。この結果、投資元本を割り
込むことがあります。
2. 債券
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また、債券発行者の経営・財務状況の変化及びそれらに関する外部評価の変化等により、投資元本を割り込んだり、
その全額を失うことがあります。一方、債券によっては、期限前に償還されることがあり、これによって投資元本を
割り込むことがあります。
債券発行者の信用リスク:市場環境の変化、債券発行者の経営・財務状況の変化及びそれらに 関する外部評価の
変化等により売買に支障を来たし、換金できないリスクがあります(流動性リスク)。この結果、投資元本を割り
込むことがあります。
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例えば、売却・契約時に投資時期よりも、円安・円高で手元に戻る円貨の額が変わり、円高の場合には投資元本を
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戦争や内乱、経済危機がある又は予見される国や地域に投資することは各リスクが極めて高くなります。