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(2019.4.11)
⇒ 世界市場で年初来最高値が続いている 但し、日本除く
⇒ 原油価格の上昇が緩慢に上昇し、株式市場押し上げ要因にも
世界株式市場は昨年第4四半期の大幅下げを経験した後、今年1月以降順調な回復が続いている。
その中で、4月に入り注目すべき事象・現象があるので、注目して見たい。
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1. 世界市場で年初来最高値が続いている 但し、日本除く
世界株価動向は4月に入り、米国市場、欧州市場、アジア市場そろって年初来高値を続けている現象が出ている。
4月1日~4/8までの6営業日の中で、年初来高値を更新した日数:
NYダウ: 3日
NASDAQ: 5日
S&P500: 6日
上海総合: 5日
香港ハンセン: 6日
インドSENSEX: 2日 (3/28からカウントすると4日連続)
ユーロストック50: 3日
FTSE100: 4日
フランスCAC40: 2日
ドイツDAX: 3日
というファクトだ。特にS&P500と香港ハンセンは連日の連騰。しかし、日本の株価ではそうした高揚感はない。
連騰の背景には、昨年後半に下げの原因となった米中貿易摩擦の通商交渉の進展が、どうやら先が見えてきたとの
観測がある。先週、トランプ大統領がツイッターで「4週後には合意になるのではないか」と発信したことも
楽観ムードをもたらした。又、中国市場も「Caixin製造業購買担当者景気指数」(PMI)が3ケ月連続で上昇するとか、
外貨準備高が5ケ月連続で上昇しているなど、中国景気の急激な落ち込みを懸念している関係者には少し安心感が
戻って来た。
英国のEU離脱問題で、揺れる欧州ははっきり道程が見えて来た訳ではない中、英国の連日の連騰には何か裏情報が
あるのかと疑ってしまう。日本の政党では党議拘束を掛けて賛否を示すが、英国の議会では議員個々の判断となり、
党議と言うものがないようだ。英国では代表質問と言うような制度が無いようで、首相が発言中に次々と質問なり
意見を言うので、取りまとめようがない議場となる。出された議案すべてが否決された。
それでも昨10日には、協議期限を10月末まで延長することでやっとEUと合意したが、この先見通しがある訳では
ない。先の見通しがない中での年初来最高値。もしかすると市場は既に「離脱案は流れて、もとの状態に戻る」と
楽観しているのかも知れない。
そうした英国の株式市場の流れを受けて、大陸の株価も上昇してきていると見られる。
しかし、このまま楽観が続くとは限らず、今EU関連株式に手を出すのは慎重でありたい。
日本の株価が盛り上がるか否かは、市場の約6割をしめる海外投資家の動向次第だ。
海外投資家は昨年10月の第1週から先週まで26週間中、売り越した週は22週。その累計は4兆2098億円だ。
つまり週平均1620億円を売り越している。日本株がPER(株価収益率)が12.5倍と先進国の15.9倍に比較し低位に
あるので、割安感がある日本株なのだが。
2. 原油価格の上昇
ニューヨークWTI原油が4月8日、64.45ドル/バレルと年初来高値を更新した。
原油価格は過去大きく変動して来ている。特に2008年6月には、最高値139ドルまで上昇した後、その半年後の
2008年12月には38ドルまで一気に下げに転じた。
その後、2011年3月には114ドルまで上昇したものの、2016年2月には33ドルまで下げた。
こうした背景のもと、今年4月にかけて上昇してきたのは、米国国内の石油掘削リグの稼働数が増えていない
ことや、南米ベネズエラが政治混乱による石油生産量が過去2年のうちで半減していること、更に中東産油国での
生産の遅れがみられることなどの諸要因が重なっている。
更に注目すべきは、原油価格と株式市場との相関性だ。
WTI原油とNYダウとの関連は強い。両者の相関係数は=CORRELで計算すると0.869と、1なら完全一致する中で
100の内86回は動きを共にしている。
WTIの今後の価格見通しでは、当面上記要因が改善する見通しは薄く、WTIはこれからも徐々に上昇の傾向を示すと
見られる。株価押し上げに寄与してくれればよいが。
(了)
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