市場大荒れの要因と今後の対応

市場大荒れの要因と今後の対応

(2018.3.24)

 

米連邦準備委員会(FRB)は、3月21日の公開市場委員会(FOMC)で0.25%の利上げを決めた。昨年12月に続く引上げ。

今回の利上げは市場の予想通りだが、今年も年3回の利上げを示唆するものだ。

更に景気の見通しを前回(12月)経済成長率予測を0.2%上げ、2.7%としたこと。雇用統計も、失業率も好調な経済動向を示している。

相手国が金利を上げたら、資金は低きから高きに移動するは条理。円はドルに流れるはず。一般的には米国の利上げはドル高・円安、

輸出主導型の日本株式には恵みの雨になるはず。しかし、そうとは言い切れない。

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1)株価、利回り、為替の動向

為替は金利差を主因として変動しない、ということを立証した実証例となった。

3月1日、トランプ政権は通商拡大法第232条を適用し安全保障を理由として、輸入する鉄鋼に25%、アルミに10%の関税を課すと発表。

世界の貿易バランスを崩し始めた。

3月21日、FOMCが政策金利を0.25%利上げ。利上げ⇒ドル高/円安⇒日本株式市場の上昇?、と期待するも動きは逆。

3月22日、トランプ政権は通商法第301条を発状し、中国に約500億ドル~600億ドルの関税を賦課することを発表。

同日中国も対抗措置を取ることを発表。

3月23日、こうした施策により世界の経済縮小を懸念し、日経平均は1日で974円下げ、▼4.5%。 NYダウは3日間で

1,194ドル下げ、▼4.8%、と日米共に年初来最安値を記録した。

2月5日の大幅下落した際、取り上げられたのは恐怖指数(VIX指数)。米国2月5日のザラ場で50.3、終値37.32。昨日は

終値24.87と衝撃は落ち着きを見せているように見える。

利上げ政策と政治政策が同時期に起こったが政治パワーの力が強く、ドル安円高になったと言える。

 

下記の表は今年1月以来、日米国債2年利回りの差と日米の株価を表示したもの。

利回りとは利金を債券価格で割ったもの。利回りが下がったということは買い手が増えて、債券価格が上がったということになる

ヘッジファンドや大手機関投資家、更に個人も一斉にリスク商品(株式等)から、ノンリスク商品へ乗り換えたということ。

利回り差をとったが、日本の利回りは期間中-0.12~-0.17%の間で推移しており、利回り変動は大半米国のその変動に基づくもの。

米国金利・債券利回りと、株価が相関関係にあることは確かだ。(グラフ:〇の部分)

尚、1月初めから昨日まで日米の株価は、非常に相関関係にあり、相関係数は0.803だ。

(注:係数1.0の場合 二者は同じ動きをしていることを示す。-1.0は正反対の動き。)

 

利回り差と株価

2)荒れ市場の中の個人投資家の対応

今までの経験から1日500円、又は500ドル以上下げる場面は、年間数回ある。この下げは購入の好機と捉えること。

こういうビッグウェーブの来ることをひたすら待つという株式投資法だ。

その為には、資金を作っておかなくてはならない。資金は高値の時、売却してビッグウェーブを待つ。

その間、銘柄を選考しておくこと。以前上がったので手放した銘柄でも良いし、別分野の有望銘柄でもよい。

保有期間半年~3年。安定的に上昇する銘柄なら引き続き保有が有利。

今回にように、下げの局面でひたすら何もせず傍観をしていては、せっかくのチャンスを見過ごすことになる。

但し、購入したら更に下げることはよくあること。悔やまない。

幸い、日本経済、世界の経済、企業業績、新興国の成長など2020年頃までは明るい見通しで、上げた市場もいずれ回復すると

確信と信念をもって投資して頂きたい。

© 2018 コバヤシ アセットマネージメント

(了)

 

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投資リスクについて

1. 株式

価格変動リスク: 株価の変動により投資元本を割り込むことがあります。

また、株式発行者の経営・財務状況の変化及びそれらに関する外部評価の変動等により、投資元本を割り込んだり、

その全額を失うことがあります。

株式発行者の信用リスク:市場環境の変化、株式発行者の経営・財務状況の変化及びそれらに関する外部評価の

変化等により売買に支障を来たし、換金できないリスクがあります(流動性リスク)。この結果、投資元本を割り

込むことがあります。

2. 債券

価格変動リスク: 債券の価格は、金利変動等により上下しますので、投資元本を割り込むことがあります。

また、債券発行者の経営・財務状況の変化及びそれらに関する外部評価の変化等により、投資元本を割り込んだり、

その全額を失うことがあります。一方、債券によっては、期限前に償還されることがあり、これによって投資元本を

割り込むことがあります。

債券発行者の信用リスク:市場環境の変化、債券発行者の経営・財務状況の変化及びそれらに 関する外部評価の

変化等により売買に支障を来たし、換金できないリスクがあります(流動性リスク)。この結果、投資元本を割り

込むことがあります。

3. 外国株式・外国債券

為替変動リスク:外国株式や外国債券等の外貨建て金融商品では、為替の変動により投資元本を割り込むことが

あります。

4. 外貨建て証券

為替変動リスク:投資対象が外貨建て証券(例えば海外市場に上場にしている株式、外国政府・公的機関・企業等が

発行する債券)では、前述の株式、債券のリスクに加え、為替の変動により、投資元本を割り込むことがあります。

例えば、売却・契約時に投資時期よりも、円安・円高で手元に戻る円貨の額が変わり、円高の場合には投資元本を

割り込むことがあります。また発行した国や地域、適用する通貨発行国の経済状況や政治状況の変化等により売買に

支障をきたし、換金ができないリスクがあります。

(流動性リスク)

5. 投資信託(上場投資信託=ETFを含む)

投資信託は、その投資信託が投資としている資産(例えば株式、債券、商品等)により、価格変動リスク、信用

リスク、流動性リスク、為替変動制リスクを内包しています。

このため、投資元本を割り込んだり、換金ができなかったり、その全額を失う事があります。

6. 投資する国や地域について

カントリーリスク:投資した国や地域により、その国や地域の政治・経済・社会情勢の不安定化や混乱などで投資し

た資金のすべて、又は一部が回収できないことがあります。

戦争や内乱、経済危機がある又は予見される国や地域に投資することは各リスクが極めて高くなります。

 

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