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新しい波 スマートベータ
(2017/6/9)
昨今、投資信託の手数料の安さを競う動きがある。今までが高すぎた。日経の2年前の資料だが、日米投信トップ5の
年間信託報酬は日本 1.52%、米国0.28%。日本は米国の5.4倍の手数料になる。
信託報酬は基準価格が上がろうが下がろうが、毎年(毎月分配型なら毎月)差し引いて取られるので、利幅が少ない
ファンドの場合は何のために投資をしているかわからなくなってしまう。
アクティブとパッシブ、そして最近よく聞くスマートベータについて調べてみる。
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パッシブ運用とは投資信託などの運用方法の手段の一つで運用目標としてベンチマーク(例えば日経225とか、TOPIXとか)に
連動する運用成果を目指す手法のこと。一方アクティブ運用とはベンチマークを上回る成果を目指す手法の事をいう。
パッシブ運用は指数に連動する手法なので、別名「インデックス投資」とも言われる。
インデックス投資は、指数連動型のインデックス・ファンドや指数連動型上場投資信託(ETF)に投資し、市場の平均的な
リスク・リターンを受け取る手法として昔からあるタイプだ。このタイプの特徴はコストが安いこと。
行動パターンを市場が決めてくれるので、リターンは理論上は平均値と同じになる。
他方、アクティブ型は投資対象企業を調査し、市場ベンチマークを上回ることを目標とし株価が割安であるか否かを定める。
ファンドマネージャーの采配に大きく依存することになる。
つまりアクティブ型は人手を喰う分、コスト高となりやすい。しかしリターンが良ければそれでも良いとする意見もあるが、
社会はいつも平穏安泰とは限らない。景気後退期になっても、信託報酬はしっかり差し引かれるので、中長期になると
インデックス型に勝てなくなる。
そこで昨今第三の分野が脚光を浴びて来た。
売上高、利益、営業キャッシュフロー、企業の配当や売上高、ROE(自己資本利益率)、株価変動率など特定の要素に基づいて
構成された指数をベースにした手法。長中期的には市場平均を上回るようなパーフォーマンスを期待し、かつ人手を掛けない
新しい分野。名前を「スマートベータ(賢い指数)」という。いわばアクティブと、パッシブの中間に位置する手法と見て良い。
その代表的なものが、JPX日経400だ。企業の資本効率を示す自己資本利益率(ROE)、営業利益率、時価総額の三つの指標を
基とした定量的な指標を評点として、400銘柄に最終的に絞り込む。なおROEと営業利益は3年間の数値を採用する。
選定基準は下記をコピペで:
http://www.jpx.co.jp/markets/indices/jpx-nikkei400/
更に、スマートベータ型のETFも14年、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が採用し始めたので脚光を浴びた。
最後にパッシブ型とスマートベータ型と比較をしてみた。期間は13ケ月で比較して見たが優劣はつけ難いものだった。
伸び率で見ると、トピックスは22.4%増、JPX日経400は20.6%増であった。
尚、JPX日経400は毎年6月末に入れ替えがある。
(了)
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投資リスクについて
1. 株式
価格変動リスク: 株価の変動により投資元本を割り込むことがあります。
また、株式発行者の経営・財務状況の変化及びそれらに関する外部評価の変動等により、投資元本を割り込んだり、
その全額を失うことがあります。
株式発行者の信用リスク:市場環境の変化、株式発行者の経営・財務状況の変化及びそれらに関する外部評価の
変化等により売買に支障を来たし、換金できないリスクがあります(流動性リスク)。この結果、投資元本を割り
込むことがあります。
2. 債券
価格変動リスク: 債券の価格は、金利変動等により上下しますので、投資元本を割り込むことがあります。
また、債券発行者の経営・財務状況の変化及びそれらに関する外部評価の変化等により、投資元本を割り込んだり、
その全額を失うことがあります。一方、債券によっては、期限前に償還されることがあり、これによって投資元本を
割り込むことがあります。
債券発行者の信用リスク:市場環境の変化、債券発行者の経営・財務状況の変化及びそれらに 関する外部評価の
変化等により売買に支障を来たし、換金できないリスクがあります(流動性リスク)。この結果、投資元本を割り
込むことがあります。
3. 外国株式・外国債券
為替変動リスク:外国株式や外国債券等の外貨建て金融商品では、為替の変動により投資元本を割り込むことが
あります。
4. 外貨建て証券
為替変動リスク:投資対象が外貨建て証券(例えば海外市場に上場にしている株式、外国政府・公的機関・企業等が
発行する債券)では、前述の株式、債券のリスクに加え、為替の変動により、投資元本を割り込むことがあります。
例えば、売却・契約時に投資時期よりも、円安・円高で手元に戻る円貨の額が変わり、円高の場合には投資元本を
割り込むことがあります。また発行した国や地域、適用する通貨発行国の経済状況や政治状況の変化等により売買に
支障をきたし、換金ができないリスクがあります。
(流動性リスク)
5. 投資信託(上場投資信託=ETFを含む)
投資信託は、その投資信託が投資としている資産(例えば株式、債券、商品等)により、価格変動リスク、信用
リスク、流動性リスク、為替変動制リスクを内包しています。
このため、投資元本を割り込んだり、換金ができなかったり、その全額を失う事があります。
6. 投資する国や地域について
カントリーリスク:投資した国や地域により、その国や地域の政治・経済・社会情勢の不安定化や混乱などで投資し
た資金のすべて、又は一部が回収できないことがあります。
戦争や内乱、経済危機がある又は予見される国や地域に投資することは各リスクが極めて高くなります。