コバヤシアセットマネージメント > K-amジャーナル > 世界のREIT市場
(2014/12/12)
世界のREIT市場は多様性を持っています。日本でも最近、ヘルスケアREIT第1号が立上がったばかりです。
REITのメリットは利益の90%以上を配当する場合、税制面の優遇措置を受けていることです。*
REITはその仕組み上、分配金利回りの高さなどがメリットとなり、概ね世界株式を上回っています。
今年前半の実績では世界株式 2%、グローバルREIT 13%となっています。
(ドルベース5/20まで 日興アセットマネジメント調べ)
いつも株式に勝っているという訳ではありません。サブ・プライムローンで世を騒がせた
07年、08年は株式の値下がり以上に値を下げましたから、安心資産とは言えません。
しかし、回復が早い。
フィデリティー資料によれば、今年7月までの10年間のUS REITのリターンは9.6%。
同じ期間のS&P500は8.0%でした。ちなみにTOPIXは3.0%。(米市場はドルベース)
REITは内部留保はほとんどないので、資金は手持ち現金、株式、借入金になります。借入金で困るのは
金利が上昇すること。米国では今後財政引き締め期に入り、15年年央には政策金利がアップしそうです。
但し、金利が上昇することは経済も活気することですから、悪いだけではありません。
一方日本は、財政事情が消費税増税が延期されたことにより、まだまだ不透明です。
金利も足元10年物で0.4%さえ下回るかという状態です。今後もこんな状態がまだ続くでしょう。
ドル/円為替も米国と日本の財政比較からみて、米国の優位性は変わらず、ドル高基調はそのまま。
更に米国はシェール原油により、輸入国から輸出国に転換するほどの恩恵が今後さらに強まります。
まとめとしてリスクの分散の取りつつ、US、豪、そして日本の3地域のREITを取り入れて、
中期(5年以上)保有するのが良かろうと思います。
*REITは利益の90%以上の利益を配当する場合、その配当金額に相当する利益について
法人税が非課税になるという税制上のメリットです。
投資家への配当金の段階では課税対象になります。
(資料:フィデリティー USリート資料)