コバヤシアセットマネージメント > K-amジャーナル > 貿易収支から見える ドイツ・韓国と日本の違い
(2014.1.31)
1月28日に日本の13年の貿易収支が11.4兆円のマイナスであったことをお伝えした。
最終報告は1週間ほど先だが、どうやらドイツの貿易収支は史上最高の27兆円ほどになったらしい。
又韓国は対前年比+47%の7兆円ほどになったとのこと。
人口8000万人の技術を誇るドイツ、人口6000万人の韓国と、日本の差はどこで出来ているのか考えてみたい。
2008年のアメリカ発リーマンショック危機や、2011年の東日本大震災と原発事故などの原因をこの際差し置いても理由がありそうだ。
昨年11月米国財務省はドイツの貿易好調に対して、「ドイツは儲けすぎで世界経済に悪い影響を与えている」と問題を提起した。
ドイツはこれに対して即座に、「ドイツ経済は高い競争力と、高品質製品に対する世界の需要が反映したもの」と反論した。
韓国lはサムソンと現代の2社で国内GDPの5割を生産するというお国柄。こちらも高い競争力を維持していることは間違いないところ。
この2国の事例で共通することは高い技術力を誇ることだ。かつての日本は技術の最先端を行っていた国だ。
昨今の日本の問題は、生産基地を円高対応の為中国や東南アジアに移転した結果、労働人口が減少していることだ。その結果、技能技術者が海外工場勤務となり、現地の労働者の教育指導を行ってきた。又、日本の技術者は人員削減のあおりを受けて韓国や中国の企業に高給で就職した。それは日を経て、日本の競争相手になってくる。
ドイツは国内生産を守るために、生産工場を国外に移転を禁じた。ドイツは給与の格差がある旧東ドイツの労働力を使うことができる。
こうした対応策としては労働力の拡充は急務だ。
建築現場でも鉄筋工やとび職は人手不足で、官庁入札も不調が相次いでいる。
そのための対応策は以下のの通り。
1) 生産基地の国内回帰の機運を創出すること
2) 生産回帰向上に特典を与えて労働の受け口とすること
3) 国の生産活動は移転は早くできるが、維持することは難しいことを肝に銘ずべし
4) 女性の活躍できる場を拡充する
5) 海外から3-5年の技能労働者を受け入れる
6) 日本への留学者を増やし、日本での就職する人材を育成する
自分の国は自分で守るという当たり前のことを想起すればよい。