コバヤシアセットマネージメント > K-amジャーナル > ’13年貿易赤字 最大11.4兆円
(2014.1.28)
2013年の貿易収支は過去最大の赤字となった。
輸出から輸入を差し引いたネットが貿易収支と言うが、13年の輸出は69.7兆円、輸入は81.2兆円、差引11.4兆円の赤字となった。この赤字は過去最大となった。
その理由を見てみたい。
1. 赤字の原因
1)円安
円相場が円安にシフトした結果、輸出より輸入にシフトした。12年の円レートは79.55円。それが13年は96.91円となり21.8%の円安・ドル高となった。
2)エネルギー
原発が停止している代替として原油や天然ガスの輸入が増えている。その増加額は年間で3.6兆円の増加になる。多くが中近東産。
3)中国からの輸入増加
中国との貿易収支は5兆円の赤字となり、12年比較して42%も増加した。日中関係悪化により自動車や自動車部品が落ち込んだ一方、スマホや衣類の輸入が増えた。ブランドが日本品でも生産国が中国や東南アジアということはよくある事。
円高対応と安い賃金を求めて生産工場を海外にシフトした結果、輸入増加の一因になっている。
4)輸出は自動車に依存
かつては輸出大国日本の産業は自働車・電機製品であったが、電機は競争力を落としている。
2. 今後の赤字縮小策
円安状態や海外移転工場を急激に転換することは難しいので、当面できる対応を検討してみると当面の対策としては原発再開ぐらいしかない。
1) 原発再開
安全を重視したうえで、再開を図る。再開すると一機当たり年間1,000憶円の改善になる。
2) シュールガスの輸入
米国やカナダからの安価な輸入は2-3年になりそうだが、早期輸入を目指す。
3) 観光収入の増加
13年は年間観光客が1,000万人を達成した。今後はフランスの年間観光客は8,000万人までは先としても、韓国の2,000万人は目標としたい。
五輪を目標に展開が望まれる。
4)その他期待される輸出品
医療機器、薬品、農業製品、炭素繊維など。