(No.239) 日経平均、騰落レシオとRSIから見る

(2020.6.7)

(No.239)日経平均、騰落レシオとRSIから見る

⇒ 3月中旬には「売られ過ぎ」、5月末には「買われ過ぎ」領域に

⇒ 5月下旬には、通常落ち着き取引に

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日経平均は先週には約3ケ月半ぶりに22,000円を回復し、今後ボラティリティは高いが上昇の予兆を感じさせる。

3月25日、小池都知事が「感染爆発の重大局面」と発した時には既に、新型コロナウィルスの国内感染数は今見れば

未だ1合目だった。しかし当時市場は既に危機感を持って株価は下落しており、小池発表9日前の3月19日には今年の

年初来安値16,552円を付けていた。年初来高値(1月20日24,083円)から見ると31.3%の下落率。

 

株価の動向は、各種指標を見れば、その傾向は分かる。

しかし、市場の過熱感や強弱感を別の指標で見る為に、テクニカル指標から「騰落レシオ」と「RSI」を日経平均と

組み併せて客観的な動向を探ってみた。

 

1. 騰落レシオ(25日移動平均)

騰落レシオとは、値上がり銘柄数を値下がり銘柄数で割って算出する。

200607_騰落レシオ式

値上がり数が値下がり数と銘柄数は同じ時は100%となり、120%を越えると「買われ過ぎ」、70%を割ると「売られ

過ぎ」とみなされる。動向を見るには、短期で5日間、中期的には25日の合計数で判断するが、ここでは25日移動平均を

取っている。

 

2. RSI(相対力指数)

RSIとは、直近の一定期間において終値ベースで上昇変動と下落変動のどちらの勢いが強いかを見ようとする指標のこと。

RSIは、50%を中心として0~100%の範囲で動き、通常70%以上では「買われ過ぎ」、30%以下では「売られ過ぎ」と

判断される。通常14日間を使う事が多い。

期間を14日間とすれば、「上昇した日の値幅合計」(A)と、「値下げした日の値幅合計」(B)を計算し

(A)/(A+B)×100、の公式を使う。

14日を出すためには15日間が必要で、16日以降は直近13日の合計を13日で割り、更にその数に新規の1日を加えて

14日で割る。

 

3. 直近の指標

今年の6月5日までの日経平均、騰落レシオ、RSIの指標を見てみる。

ここで着目すべきは、時系列データによると、既に5月25日頃には両指数とも「買われ過ぎ」領域に入っていることだ。

 

200607_各種指標

 

4. グラフでみる

こうした3つの指標を対数目盛のグラフに纏めてみた。

そうすると、日経平均が騰落レシオ・RSI線を上から下に突き抜けるデッドクロス*は3月上旬、そして日経平均が騰落レシオ・

RSI  を下から上に突き抜けるゴールデンクロス*は5月末から6月初めに起きていることが表から判断される。

この事は、市場での心理動揺が落ち着き、正常な経済の基盤に基ずき取り引きされる環境に戻りつつあるように見える。

 

200608_日経平均、騰落レシオ、RSI

 

*デッドクロス・ゴールデンクロスは移動平均線を使って評価するが、ここではわかり易く表示する為別の指標で使用した。

 

(了)

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また、株式発行者の経営・財務状況の変化及びそれらに関する外部評価の変動等により、投資元本を割り込んだり、

その全額を失うことがあります。

株式発行者の信用リスク:市場環境の変化、株式発行者の経営・財務状況の変化及びそれらに関する外部評価の

変化等により売買に支障を来たし、換金できないリスクがあります(流動性リスク)。この結果、投資元本を割り

込むことがあります。

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また、債券発行者の経営・財務状況の変化及びそれらに関する外部評価の変化等により、投資元本を割り込んだり、

その全額を失うことがあります。一方、債券によっては、期限前に償還されることがあり、これによって投資元本を

割り込むことがあります。

債券発行者の信用リスク:市場環境の変化、債券発行者の経営・財務状況の変化及びそれらに 関する外部評価の

変化等により売買に支障を来たし、換金できないリスクがあります(流動性リスク)。この結果、投資元本を割り

込むことがあります。

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