コバヤシアセットマネージメント > K-amジャーナル > ボラティリティ変動率(VI)の示すもの
(2019.8.3)
⇒8月2日、世界の株価指数は下落 米国の中国からの輸入品に対し追加関税第4弾を9月1日から実行と発表
⇒これに伴いボラティリティ変動率が上昇している 20を超えるかどうかが警戒ポイント
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世界の株価が下落傾向にある。
8月2日の世界株価指数は、全世界の株式市場の値を下落させた。理由は勿論、あの人、トランプ大統領。
彼がツイッターで米中貿易戦争第4弾を9月1日から実行すると公表した。第4弾とはこれまで1~3弾で
関税を掛けていなかったスマホなどの項目約3000億ドル相当品に10%の関税を掛けようとするもの。
これでほぼ中国からの輸入品には10-25%の関税が掛ることになる。
今回の株価値下がりで、欧州を中心に値下がりした。
株価と反対の動きを見せるのが、ボラティリティ変動率指数とも言われるVI指数やVIX指数など。恐怖指数とも
言われている。
VIX指数とはシカゴオプション取引所(CBOE)でのS&P500のオプション取引のボラティリティ(変動率)から算出
される指数。 日経VI指数とは大阪証券取引所での日経平均の先物及びオプション取引のボラティリティから算出
される指数。
VIX指数又はVI指数は、株価の先行きにどれほどの振れ幅(ボラティリティー)を投資家が見込んでいるかを示す
「株価変動率指数」のうち、米国株や日本株を対象にした指数のこと。通常、株安が懸念される局面で上昇し、
20を超えると不安心理が高まっていると解釈される。
その場合、「株価が今後1年間に約7割の確率で上下20%の範囲で変動する」と投資家が予想していることを示す。
(2018.12.26付 日経新聞)
7月中旬頃から、日本のVI指数が不安定を示しているのは、米中貿易摩擦悪化を予測しだしている兆候だ。
一方この時期米国VIX指数が下げを示しているのは、同じく米中摩擦があるものの米国では楽観的だったことを示す。
不安を作ったのは8月1日のトランプ大統領のツイッターの発信だ。9月1日より、対中輸入品、特に今回は第4弾として
スマホなどに10%の関税を賦課するというもの。これで中国からのほぼすべての輸入品に関税が掛けられることになる。
この10%は昨年の事例から、更に25%に引き上げられる可能性もある。
米国にとっては、輸入品の価格が上がることになり、米国における内製化への切り替えが難しいものもあり、その場合
米国民は価格上昇の困難に直面することになる。
日本の場合、7月1日に韓国の輸出管理に不適切な事案があるとの事で、韓国に対するフッ化水素など3品目をこれまでの
輸出業務の優遇措置から韓国を外すとし、7/4日から実行となったことで混沌とした状態になった。
足元、VIX、VI指数とも17㌽ラインにあるが、これが20を超えるかどうかが、関心事だ。
日韓間では、8/28の優遇措置から除外されたことで、韓国からの観光客減少や韓国国内の日本製品不買運動の高まりで
どの程度株価に影響を与えるか注視が必要だ。
更に、米中でも9月1日の規制強化に対する懸念から株式に悪影響が想定される。
ボラティリティ指数が20を超えるかどうか、リスクオフへの警戒を強め注視が必要。
(了)
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