NY株 2万ドル 保護主義に警戒も

NY株 2万ドル 保護主義に警戒も

(2017/1/26)

 

1月25日のNYダウ工業株は寄り付きから2万ドルを超えた。結局終値は前日比156ドル高の20,068ドル。取引所では

2万ドル達成を記念して帽子が配られた。今月20日にトランプ新大統領が発足して、1週間に足らずに大統領令を発したのは

12本。タイミングよく第4四半期の好調な決算発表もあり、株価上昇に相乗効果もあった。

しかし、保護主義の反作用も警戒しておかねばならず、浮かれてばかりはいられない。

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NYダウが19,000ドルから20,000ドルに要した日数はわずか42営業日。18,000ドルから19,000ドルになるのに約500日

要したのに比べその速さは目覚ましい。理由の一つは、トランプ氏の次々と出す大統領令だ。本日まで12本にサインした。

☑ TPPからの正式離脱

☑ オバマケアの撤廃

☑ カナダからの原油・ガスパイプラインの建設再開

☑ 入国審査厳格化

☑ 中東・北アフリカ7ケ国出身者及び難民の受け入れ停止

☑ メキシコとの国境に壁の敷設

☑ 人工妊娠中絶支援団体への資金供与停止

☑ 製造業の手続き簡略化

など。

これらは選挙戦時代から語られていたこともあり新規性はないが、従来の大統領が発足1週間でこれほど大統領令を発する

事はなかった。その理由を憶測してみると、大統領で、国を二分するような選挙戦になったことで、国民の注目を集めたいとの

思いがあるのだろうか。しかし、これらすべてが、全てそのまま実行できるとは限らない。議会の承認を要すものもあり、

又最高裁判所の違憲判決によるチェックもある。

 

トランプ新大統領の立ち位置は案外分かりやすい。それは ”America First”, ”Make America Great Again”だ。

つまり、これまでアメリカは自分の富を外部に排出してきた。もはやそれは許されない、ということだろう。

例えばメキシコ。メキシコの輸出の81.1%がアメリカで、輸入の47.3%もアメリカだ。(野村證券資料より)

従来は北米自由貿易協定(NAFTA)で、関税”0”で輸出が出来ていた。その為人件費の安い。メキシコに多くの工場が出来、

製品や部品をアメリカに輸出し、結果アメリカの製造業の衰退を招いたという論点だ。カナダも同じで輸出の75.6%、

輸入の66.3%がアメリカだ。

 

トランプ氏は貿易は不公平だとして国名を挙げたのは中国、メキシコ、日本。その根拠は貿易赤字を見ればわかる。

1990年 アメリカの貿易赤字 1017億ドル 日本40.4%、中国10.3%、ドイツ9.2%、メキシコ1.8%

2015年 アメリカの貿易赤字 7456億ドル 中国49.2%、ドイツ10.0%、日本9.2%、メキシコ8.1%  (日経新聞資料)

 

1990年までの日米では日米摩擦と言われ、繊維、鉄鋼、テレビ、自動車、半導体などでアメリカ国内で大量解雇や工場閉鎖が

進み、「ジャパンバッシング」も強まってきた。

トランプ時代には特に自動車が争点になりそうだ。さらに現在アメリカ軍の駐留経費の75%を負担している日本に対し、

全額負担を要求してきそうだし、現在国家予算の約1割、GDPの1%の防衛費の積み増しも要求して来そうだ。

 

以上のトランプ政権の矢継ぎ早の大統領令サインに経済市場は対応を求められるが、今後の動向に注目したい。

まずは、今月31日の一般教書演説、2月頃に予定されている予算教書演説に注目したい。

一方2月初旬に来日するマティス国防長官の発言、さらに2月10日頃に予定されている安倍ートランプ会談に注目したい。

(資料:野村証券、日興証券、日経新聞)

(了)

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また、株式発行者の経営・財務状況の変化及びそれらに関する外部評価の変動等により、投資元本を割り込んだり、

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株式発行者の信用リスク:市場環境の変化、株式発行者の経営・財務状況の変化及びそれらに関する外部評価の

変化等により売買に支障を来たし、換金できないリスクがあります(流動性リスク)。この結果、投資元本を割り

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