株式の変動要因  先を読む目

 株式の変動要因  先を読む目

(2016/3/2)

 

3月2日, 株式市場を動かす特徴的な事例が出たので、研究してみたい。

3/2の日経平均株価は、661円高の16,746円で終わった。何があったか?新しい追加施策でも出されたか?

 

ブルームバーグ3/2電子版にはこう書いてある。「米国の製造業、自動車販売統計の堅調に加え、為替の円安や

原油市況の続伸が好感され、リスク資産を見直す動きが活発化した。」具体的には、「米供給管理協会(ISM)

発表の2月の製造業総合景況指数が49.5と昨年9月以来高水準だったこと。米2月自動車販売台数が2月としては

2000年以来の高水準であったこと。NY原油先物が1.9%高の1バレル=34.40ドルと続伸したこと。投資家の

恐怖心理を示すシカゴ・ボラティリティー指数(VIX)は今年に入り最低水準になったこと。」

「為替も、為替回避の動きが後退し、前日の1㌦=112円61銭から113.70円~114.10円で推移した。」

 

結果、「午後には一時日経平均は729円(4.5%)高となり、チャート上は25日移動平均線を大きく上回った。」

さて、日米共に大きな金融財政施策が出されない中で、日経平均が700円も変動するとなるとそのファクターを

押えておく必要がある。

 

経済指標で最も重視されるのが、GDPで四半期毎に発表される。今回の事例のアメリカではISM製造業景況指数、

自動車販売台数、原油価格、VIX指数が挙げられているが、それ以外に重要な指数は、失業率、住宅着工件数

などがある。

 

日本では、GDP以外には3ヶ月毎の日銀短観、失業率、鉱工業生産指数、自動車販売台数、機会受注統計、全国

消費者物価指数(CPI)や貿易統計などがある。

 

最近は中国の経済が日本に大きく影響を与える。中国の場合は、統計には意図が入っていることを配慮して置く

必要がある。GDP以外に、貿易統計(輸出、輸入)貿易収支、製造業購買担当者景気指数(CPI)などがある。

中国は世界一の外貨保有国だが、‘14/6⇒’15/12の間に6600億ドル(16.6%)減少しており、景気低迷を見る

指針にもなっている。これらファクターは投資家には必須であり、「長期保有・分散投資」と言っているだけでは

リスクに立ち向かえない。上記項目をメモしたり、覚えたりする必要はない。これらは誰でも見れるサイトがあり、

今後のスケジュールも見ることができる。

 

YahooのTopページ⇒右側縦の欄のファイナンス⇒FX/為替⇒経済指標と進むと、各国の過去~将来のスケジュー

ルが見れる。特に上記重要指標や、中央銀行総裁記者会見日前後は必ず市場は動く。更に、原油動向にはOPECや

中東のニュースも目を離せない。上記記事にもあるVIX指数や25日移動平均線は投資家なら御馴染だが、新聞を

見るだけでは判断に至っていない。25日移動平均線で押し戻されることが多かったからだ。読み込みを卒業し、

先を見る目利きになるため、何度も事例研究をしてみよう。他に騰落レシオ、RSI指数などもお役立ちだ。

 

株価に大きく影響しているのは、海外投資家の売買動向だ。東証から毎週木曜に発表される。日経によると

昨年日経平均のピークを付けた’15/6(20,868円)~直近まで、海外投資家は11兆円の売り越しだ。

一方、年金の買い越しは3兆円。海外の売りが日本の株式市場を下げている直接の要因でもある。よって、

毎週の「投資部門別売買動向」にも継続的に注視が必要となってくる。

 

今後の変化の読みとしては重要日程を押えておく。先ず、3/5から中国で全国人民代表大会、3/14-15日銀金融

政策決定会合、3/15-16米FOMC委員会が開かれる。。日銀はさらなるマイナス金利幅を下げるのかどうか。

FOMCは現状では追加利上げはないと見るが、如何かがポイント。

 

投資家向けニュースとしては、TVは5:45から7ch「モーニングサテライト」、日経短波第1放送、CS放送日経

CNBCなど。新聞は日経、WSJ, ブルームバーグ、ロイター、モーニングスター等

【小林治行 CFPⓇ 1級FP技能士、投資助言業 関東財務局長(金商)第2841号】

(了)

 

本情報は当所の業務内容に掛かる投資情報の提供であり、記載されている情報は、予告なく内容を変更する場合があります。

投資に関する最終判断は、ご自身の判断と責任において行って下さい。

 

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 商号等   コバヤシ アセットマネージメント

所長 小林 治行

投資助言業 関東財務局長〈金商〉第2841号

加入協会  一般社団法人 日本投資顧問業協会

 

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投資助言の契約の前には、「投資顧問契約の契約締結前交付書面」を良くお読み頂き、ご納得のうえご契約頂きます。

報酬等は「投資顧問契約の契約締結前交付書面」又は、ホームページの投資助言業のページをよくご覧ください。

 

投資リスクについて

1. 株式

価格変動リスク: 株価の変動により投資元本を割り込むことがあります。

また、株式発行者の経営・財務状況の変化及びそれらに関する外部評価の変動等により、投資元本を割り込んだり、

その全額を失うことがあります。

株式発行者の信用リスク:市場環境の変化、株式発行者の経営・財務状況の変化及びそれらに関する外部評価の

変化等により売買に支障を来たし、換金できないリスクがあります(流動性リスク)。この結果、投資元本を割り

込むことがあります。

2. 債券

価格変動リスク: 債券の価格は、金利変動等により上下しますので、投資元本を割り込むことがあります。

また、債券発行者の経営・財務状況の変化及びそれらに関する外部評価の変化等により、投資元本を割り込んだり、

その全額を失うことがあります。一方、債券によっては、期限前に償還されることがあり、これによって投資元本を

割り込むことがあります。

債券発行者の信用リスク:市場環境の変化、債券発行者の経営・財務状況の変化及びそれらに 関する外部評価の

変化等により売買に支障を来たし、換金できないリスクがあります(流動性リスク)。この結果、投資元本を割り

込むことがあります。

3. 外国株式・外国債券

為替変動リスク:外国株式や外国債券等の外貨建て金融商品では、為替の変動により投資元本を割り込むことが

あります。

4. 外貨建て証券

為替変動リスク:投資対象が外貨建て証券(例えば海外市場に上場にしている株式、外国政府・公的機関・企業等が

発行する債券)では、前述の株式、債券のリスクに加え、為替の変動により、投資元本を割り込むことがあります。

例えば、売却・契約時に投資時期よりも、円安・円高で手元に戻る円貨の額が変わり、円高の場合には投資元本を

割り込むことがあります。また発行した国や地域、適用する通貨発行国の経済状況や政治状況の変化等により売買に

支障をきたし、換金ができないリスクがあります。

(流動性リスク)

5. 投資信託(上場投資信託=ETFを含む)

投資信託は、その投資信託が投資としている資産(例えば株式、債券、商品等)により、価格変動リスク、信用

リスク、流動性リスク、為替変動制リスクを内包しています。

このため、投資元本を割り込んだり、換金ができなかったり、その全額を失う事があります。

6. 投資する国や地域について

カントリーリスク:投資した国や地域により、その国や地域の政治・経済・社会情勢の不安定化や混乱などで投資し

た資金のすべて、又は一部が回収できないことがあります。

戦争や内乱、経済危機がある又は予見される国や地域に投資することは各リスクが極めて高くなります。

 

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