(No.241) テスラの躍動はどこから

(2020.7.26)

(No.241) テスラの躍動はどこから

 

⇒ テスラの時価総額は、7月にはトヨタを抜き自動車業界トップに

⇒ テスラの車はESG銘柄と評価され、購入後もソフト更新でアップグレードして行く

⇒ 代表者イーロン・マスク氏の起業家精神にアメリカン・ドリームをみる

**********************************************************

 

テスラ(ティッカー:TSLA)の株価の時価総額は1月末で日本円で10兆円を超え、フォルクスワーゲンを

抜いてトヨタに次ぐ、世界2位の自動車メーカーになった。

7月13日には株価が1,794ドルと52週最高値を付け、時価総額で遂に約28兆円を超え、トヨタの

約22兆円を追い越し自動車業界のトップに立った。

 

テスラは電気自動車(EV)専門メーカーで、現在はアメリカと中国生産をしている。

テスラの生産台数は年約41万台程度で、トヨタの約1,000万台(ダイハツ・日野を含め)に比較して4%程度の

会社がトップになる背景は何なのか。

 

従業員は、トヨタの35.9万人に対しテスラは4.8万人、トヨタの13%しかない。

当期純利益も、19年度決算ではテスラは922億円の赤字に対し、トヨタは2兆700億円の黒字。

20年では新型コロナの影響で、読みずらいがテスラは中国工場の早期再生産が奏功し、黒字転換となりそうだ。

テスラのイーロン・マスクCEOは20年4~6月期決算が4四半期連続黒字である事を発表した。

好調の背景として、米国の工場を一時生産停止したが、稼働を続けた上海の新工場が生産と販売を支えたと

述べた。

 

一方、トヨタはコンセンサス評価によれば、20年度の売上高は25.5兆円(対前年度ー13.3%)、当期利益では

1.3兆円(同ー35.6%)と、新型コロナの影響に苦悩している。

 

株価を7月24日までの1年間で見た時に、テスラの伸び率は5.4倍、1年間の最安値と最高値の値幅は8.5倍に

なる。しかし、こうしてみてもテスラの異常とも言える株価の伸長には、なんと説明したら良いのだろうか。

 

'200728_テスラとトヨタ

日経新聞7月14日のコラム記事で、テスラは今や自動車メーカーを越えてIT企業と似た期待感で株が買われて

いると述べ、更に3つのキーワードを書いている。

①非接触 英国で4-5月に最も新車販売をしたメーカーはテスラだった。理由はテスラが、大半をネット上で

販売しており、販売店の店頭に行かなくても影響が少ないこと。

又ロックダウンの街の中で、ESG(環境・社会・企業統治)の観点からテスラが排ガスを出さない評価を受けた。

②ソフトウェア― 車の価値が今後の車ではソフトウェア―だと見る人が多いとみる。

③ARPU( ユーザー平均単価) テスラは自動運転機能のアップデートに数十万円の課金をする事があるという。

予め高性能な機器を搭載しておき、後はユーザーがその中の必要なものを有料で利用するという課金方式。

ESGには、現在の投資家の関心が高く、テスラもそのカテゴリーとみなされている。

 

更に、筆者がその背景にあるものとして、代表者イーロン・マスク氏に対する起業家としての期待度もあると

考える。イーロン・マスクといえば、学生時代に決済会社Paypalをたちあげ、これを転売。その資金を基に

宇宙ロケット会社スペースXを立ち上げ、更にEVのテスラを起業。又、サンフランシスコとロスアンゼルス間

610Kmを30分で結ぶハイパーループを2013年発表し、現在試験中。現実に建設が始まっているとの報道もある。

 

こうしたマスク氏の起業家精神が、アメリカン・ドリームを想起させているのかも知れない。

 

(ご注意)本記事には個別株式銘柄を挙げておりますが、米国株式の躍動を見る為に掲載したものであり、

推奨するものではありません。

 

(了)

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

© 2019-2020 小林治行(コバヤシ アセットマネージメント)

本情報は当所の業務内容に掛かる投資情報の提供であり、記載されている情報は、予告なく内容を変更する場合が

あります。

投資に関する最終判断は、ご自身の判断と責任において行って下さい。

【金融商品取引法第37条(広告等の規制)に掛かる留意事項】

 商号等   小林 治行 (コバヤシ アセットマネージメント)

所長 小林 治行

投資助言業 関東財務局長〈金商〉第2841号

加入協会  一般社団法人 日本投資顧問業協会

手数料等

投資助言の契約の前には、「投資顧問契約の契約締結前交付書面」を良くお読み頂き、ご納得のうえご契約頂きます。

報酬等は「投資顧問契約の契約締結前交付書面」又は、ホームページの投資助言業のページをよくご覧ください。

投資リスクについて

1. 株式

価格変動リスク: 株価の変動により投資元本を割り込むことがあります。

また、株式発行者の経営・財務状況の変化及びそれらに関する外部評価の変動等により、投資元本を割り込んだり、

その全額を失うことがあります。

株式発行者の信用リスク:市場環境の変化、株式発行者の経営・財務状況の変化及びそれらに関する外部評価の

変化等により売買に支障を来たし、換金できないリスクがあります(流動性リスク)。この結果、投資元本を割り

込むことがあります。

2. 債券

価格変動リスク: 債券の価格は、金利変動等により上下しますので、投資元本を割り込むことがあります。

また、債券発行者の経営・財務状況の変化及びそれらに関する外部評価の変化等により、投資元本を割り込んだり、

その全額を失うことがあります。一方、債券によっては、期限前に償還されることがあり、これによって投資元本を

割り込むことがあります。

債券発行者の信用リスク:市場環境の変化、債券発行者の経営・財務状況の変化及びそれらに 関する外部評価の

変化等により売買に支障を来たし、換金できないリスクがあります(流動性リスク)。この結果、投資元本を割り

込むことがあります。

3. 外国株式・外国債券

為替変動リスク:外国株式や外国債券等の外貨建て金融商品では、為替の変動により投資元本を割り込むことが

あります。

4. 外貨建て証券

為替変動リスク:投資対象が外貨建て証券(例えば海外市場に上場にしている株式、外国政府・公的機関・企業等が

発行する債券)では、前述の株式、債券のリスクに加え、為替の変動により、投資元本を割り込むことがあります。

例えば、売却・契約時に投資時期よりも、円安・円高で手元に戻る円貨の額が変わり、円高の場合には投資元本を

割り込むことがあります。また発行した国や地域、適用する通貨発行国の経済状況や政治状況の変化等により売買に

支障をきたし、換金ができないリスクがあります。

(流動性リスク)

5. 投資信託(上場投資信託=ETFを含む)

投資信託は、その投資信託が投資としている資産(例えば株式、債券、商品等)により、価格変動リスク、信用

リスク、流動性リスク、為替変動制リスクを内包しています。

このため、投資元本を割り込んだり、換金ができなかったり、その全額を失う事があります。

6. 投資する国や地域について

カントリーリスク:投資した国や地域により、その国や地域の政治・経済・社会情勢の不安定化や混乱などで投資し

た資金のすべて、又は一部が回収できないことがあります。

戦争や内乱、経済危機がある又は予見される国や地域に投資することは各リスクが極めて高くなります。

 

 

 

 

▲このページのTOPへ