GPIFのESG投資

GPIFのESG投資

(2017/10/12)

 

年金積立金管理運用独立行政法人(Government Pension Investment Fund, GPIF)が7月、ESG指数として三本を選定したと

発表した。GPIFは国民の年金を約140兆円(国家予算の約1.4倍)を運用する「世界最大の機関投資家」と言われている。

そのGPIFが突然、ESG投資と言い出した背景を追ってみる。

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1)ESG流れの背景

ESGとは、環境(Environment), 社会(Social)、企業ガバナンス(Governance)の頭文字を取ったもの。

これからの社会・企業を持続可能性(Sustainable)のあるものにするために、この3つの理念が必要であり、逆にこの理念が

薄い企業は、長期的な成長ができない企業と見られる。

今年の7月、GPIFが3本の指数を選定した。

ESGという言葉が知られるようになったのは、2006年に国連のアナン事務総長(当時)が機関投資家に対し、ESGを投資

プロセスに組み入れる「責任投資原則」(PRI, Pricipales for Responsible Investment)を提唱したことがきっかけだ。

2008年のリーマン・ショック後に資本市場で短期的な利益追求に対する批判が高まったこともPRIの署名機関増加につながり、

2017年4月時点で, GPIFを含む1700を超える年金基金や運用会社などがPRIに署名している。

このうち年金基金などアセットオーナーの署名は346にのぼり、その運用資産残高の合計は17兆ドル(約1800兆円)近くに達している。

GPIFの考え方は、大規模な機関投資家にとって長期的リターンを目指す観点から、企業の環境や社会問題から派生するマイナス

要因を最小化させたいというポリシーがある。

その為に、GPIFは基金オーナーとして、受動的ではなく能動的に指数を選定し、長期優良企業を選定していくというスタンスを

表明したことになる。

 

2)3本の指数

① FTSE Blossom Japan Index

② MSCIジャパンESGセレクト・リーダーズ指数

③ MSCI日本女性活躍指数

GPIFによると、分野を「総合型指数」から①と②を、「テーマ型指数」からは③を選定したと説明している。テーマ型ではあと

環境分野を残継続審議中としている。

 

① FTSE Blossom Japan Indexは、FTSE JAPAN INDEX約500銘柄の中から、151銘柄で構成される。(2017年6月時点)

② MSCIジャパンESGセレクト・リーダーズ指数はMSCIジャパンIMIの内時価総額上位500銘柄の中から、251銘柄で構成される。

(2017年6月現在)

③ MSCI日本女性活躍指数は、MSCIジャパンIMIの内時価総額上位500銘柄の中から、212銘柄で構成される。

(2017年6月現在)

 

3)投資規模と3本のリスク・リターン

GPIFは投資規模は、既存の国内(株)運用からの組み換えも含め、当初はESG投資全体で約1兆円程度から開始する。

GPIFの資料によれば、3本のリスク・リターンは以下の通り。

GPIF_ESG

(了)

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 商号等   小林 治行 (コバヤシ アセットマネージメント)

所長 小林 治行

投資助言業 関東財務局長〈金商〉第2841号

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投資リスクについて

1. 株式

価格変動リスク: 株価の変動により投資元本を割り込むことがあります。

また、株式発行者の経営・財務状況の変化及びそれらに関する外部評価の変動等により、投資元本を割り込んだり、

その全額を失うことがあります。

株式発行者の信用リスク:市場環境の変化、株式発行者の経営・財務状況の変化及びそれらに関する外部評価の

変化等により売買に支障を来たし、換金できないリスクがあります(流動性リスク)。この結果、投資元本を割り

込むことがあります。

2. 債券

価格変動リスク: 債券の価格は、金利変動等により上下しますので、投資元本を割り込むことがあります。

また、債券発行者の経営・財務状況の変化及びそれらに関する外部評価の変化等により、投資元本を割り込んだり、

その全額を失うことがあります。一方、債券によっては、期限前に償還されることがあり、これによって投資元本を

割り込むことがあります。

債券発行者の信用リスク:市場環境の変化、債券発行者の経営・財務状況の変化及びそれらに 関する外部評価の

変化等により売買に支障を来たし、換金できないリスクがあります(流動性リスク)。この結果、投資元本を割り

込むことがあります。

3. 外国株式・外国債券

為替変動リスク:外国株式や外国債券等の外貨建て金融商品では、為替の変動により投資元本を割り込むことが

あります。

4. 外貨建て証券

為替変動リスク:投資対象が外貨建て証券(例えば海外市場に上場にしている株式、外国政府・公的機関・企業等が

発行する債券)では、前述の株式、債券のリスクに加え、為替の変動により、投資元本を割り込むことがあります。

例えば、売却・契約時に投資時期よりも、円安・円高で手元に戻る円貨の額が変わり、円高の場合には投資元本を

割り込むことがあります。また発行した国や地域、適用する通貨発行国の経済状況や政治状況の変化等により売買に

支障をきたし、換金ができないリスクがあります。

(流動性リスク)

5. 投資信託(上場投資信託=ETFを含む)

投資信託は、その投資信託が投資としている資産(例えば株式、債券、商品等)により、価格変動リスク、信用

リスク、流動性リスク、為替変動制リスクを内包しています。

このため、投資元本を割り込んだり、換金ができなかったり、その全額を失う事があります。

6. 投資する国や地域について

カントリーリスク:投資した国や地域により、その国や地域の政治・経済・社会情勢の不安定化や混乱などで投資し

た資金のすべて、又は一部が回収できないことがあります。

戦争や内乱、経済危機がある又は予見される国や地域に投資することは各リスクが極めて高くなります。

 

 

 

 

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