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91.(0902金融)ETF投資の活用
世界の株価が下がっている中で、ETFが良いと聞きますが?
  (09/1/27)

A: 2008年度の世界の各市場は、先進国の35-43%の下落、新興国の44-64%と大きく値を下げました。

この傾向は本年いっぱい継続すると思われますし、来年もその影響を受けるでしょう。回復の条件は金融機関の安定、メーカーの在庫の圧縮、個人消費の回復、種々の経済指標の底入れ感などあと数年の月日が掛かるでしょう。
しかし、投資の世界では半年先駆けて動くと言われています。

こうした背景からして本年は大きく回復する市場は望めません。

しかし、この株価低迷の時期は又、購入の時期でもあります。
多分、数年先になって回顧するとき、あの時買っておけば良かったと思う時期が今後1年程度続くと思われます。

どんな専門家を持ってしてもも、最安値の時期を的中することはできません。
こんな時期にお勧めできるものとしてはETFでしょう。
ETFは平成13年(2001年)6月、特定の株価指数に連動する運用成果を目指す現物拠出型の上場投資信託が認められました。このとき出たのがETF(Exchange Tarade Funds)です。

このETFはなんと言っても、分かり易さとコストの安さです。
例えば日経225とかTOPIXや、アメリカではS&P500、又債券では全世界の金利に連動したMSCIコクサイという指数に連動したものがあります。

ETFには日本株式型の68本と世界株式型、世界債券型とあり世界型は1000本以上有ります。

ETFの特徴

  • 株価指数などに連動するパッシブ運用(インデックス運用)である

ETFのほとんどが、株価指数、債券指数、商品指数などの指数に連動する、いわゆるパッシブ(受動的)運用のファンドであることです。つまり各市場の平均的なパフォーマンスが得られれば充分という考え方です。 市場平均以上のパフォーマンスを狙いたい方は、アクティブ(積極)運用のファンドを選択することとなります。(ただし結果として平均以下となるとこがあります。)

  • 株式と同様にリアルタイムで売買できる

取引所に上場しているため、取引形態は基本的に株式と同じです。取引時間中ならいつでも売買できるし、指値、成行きなどの価格指定も可能です。もちろん日計り(デイトレード)もできます。 前述のアクティブファンドは、原則、各営業日に1回、その日の基準価額で売買できるだけです。同じパッシブファンドにインデックスファンドがありますが、こちらも原則日に一度だけです。

  • 取引コストが安い

売買手数料も原則株式と同一なので、アクティブファンドに比べると、かなり割安です。また、残高に対して負担する信託報酬も年率1%以下がほとんどで、低コストに保有することができます。中には0.2%程度の銘柄も多くあります。

  • ユニークな商品性のETFも

前に指数連動型ファンドと言いましたが、指数と言っても一般的な株式指数だけでなく、かなり専門的な分野の指数に連動するものがあります。例えば、「水資源」関連株式だけで構成された指数や、代替エネルギーである「風力発電」関連株式の指数連動型など。テーマ型の投資が手軽にできます。(スペシャリティーETFと呼ばれることがあります。)

また、相場の下落がETFの価格上昇に反映される「ベア型」のETFも存在します。例えば相場の変動率の反対(逆)に2倍(2倍のレバレッジで)連動するウルトラショート(UltraShort)のシリーズは大変有名です。信用取引や先物取引などめんどうな手法を使わなくても、一時的な相場の下落に対し、ヘッジが可能です。

  • 欠点もいくつか

そんな優れた商品性で、短期運用にも長期運用にも向いていると言われますが、強いて欠点を上げると、@分配型がほとんどで長期複利運用に難がある、A売買の手軽さゆえ、長期投資のつもりが、短期のトレーディングになりがち、B流動性の低い銘柄も多く存在すること、でしょうか。

こうした特徴を押さえて投資の機会を作って下さい。

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