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88.(0832不動産)スベラない賃貸経営 (5)
老後の為にも不動産賃貸を考えています。
そのポイントを教えて下さい。
  (08/12/4)

A: 法人を設立するべきか

不動産賃貸経営を法人を設立して管理運営をその会社に任せるかどうか岐路に立つことがあります。
その判断の基盤としては税金です。もし課税所得900万円以上であれば法人成りをしたほうがよいと言われています。


さて法人成りのメリット、デメリットを見てみましょう。
1.デメリット
@交際費の限度があります。個人では金額に限度はありませんが、法人では小規模法人(資本金1億以下)では、1年間で400万円まで。更に使用額の10%が カットされますので、最大360万円までとなります。
A設立に費用や手間がかかる。
B維持運営に手間が掛かる。

2.メリット
@個人と法人の税率構造の違い
個人の場合では、超過累進課税により所得税、住民税が掛けられ、
一定税率により事業税が掛けれます。
法人は比例税率により、法人税、住民税、事業税が課されます。
A給与所得控除の適用
役員の報酬は損金として処理され、更に役員個人は給与所得控除を活用できます。
つまり、給与所得控除分が法人税と所得税において二重に経費となるのです。
      給与所得控除額速算表
給与収入金額 給与所得控除額
180万円以下 収入金額 × 40% (最低65万円)
180万円超 360万円以下 収入金額 × 30% + 18万円
360万円超 660万円以下 収入金額 × 20% + 54万円
660万円超 1000万円以下 収入金額 × 10% + 120万円
1000万円超 収入金額 × 5% + 170万円

B所得の分散
・個人所得・・・社長の役員給与(給与所得)
・法人・・・・・・事業による所得−社長の役員給与(適正額)
法人が社長に給与を支払う事により、所得の分散になります。
C青色欠損金の繰越控除期間の違い
個人・・・3年
法人・・・7年
D減価償却の違い
個人・・・強制
法人・・・任意
つまり赤字の時は償却せずに、青色欠損の切捨てを税法的には防止することが可能になります。
E役員退職金の支給が出来る
個人・・・事業所得等の必要経費とはならない。
法人・・・範囲内であれば損金計上
F貸倒引当金繰入要件の違い
個人・・・原則として」青色申告を提出した事業者に限る。
法人・・・青色申告の要件は必要なく、一定額まで算入可能。
G取引先等の対外信用の増大
個人事業用も法人の方が対外信用が高まる事が多い。

以上の観点から法人成りは多くのメリットを持っているので、検討すべき課題です。

(第5回了)

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