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72.(0816ライフ)後期高齢者医療保険の問題点
’08/4/16

Q:いろいろ混乱があるようだけど、そもそもどういう制度なの?
A:この背景には老人数の増加と医療費の増加という問題があります。
国立人口問題研究所によると、2007年の日本の総人口数のうち、85歳以上の人は326万人、
100歳以上の人は3万2000人います。
2050年には人口9515万人、85歳以上972万人、100歳以上68.3万人と予想しています。

又、日本の医療費の総額は厚労省資料によると、1985年には15兆円だったものが、 2005年には33兆円と20年間で倍以上に増えています。
医療費は当然老人が多くなり、75歳以上で全体の3割を使っているそうです。

こうした人口の変化と医療費の公平性を目的に平成18年6月に法律になり、平成20年4月から施行になったものです。
高齢者を独立した医療制度に移し、従来市町村別にしていた時は格差は5倍もありましたが、これを県単位の広域にしたことにより、2倍以内に均すことにしています。
高い県は福岡で、最も安いのは公費投入をした東京都です。

Q:保険には個人の支払と公的な部分がありますよね?
A:個人に負担はこれまでと同じ1割でこれは従来と変り変わりありません。(但し、現役並み所得がある人は3割負担。)
医療費全体の負担割合は個人1割、健康保険4割、税金5割となっています。
国としてはなんとか税金の増加を抑えたい訳です。

Q:今後の動きは?
A:75歳以上の人口は約1300万人。このうち832万人は4月15日の年金額から差し引かれました。
又、これまでは子供の扶養家族として、本人負担は無かった人約300万人は急に変化をすると
反発が大きいとして緩和措置がとられ、半年遅れの本年10月から差し引きとなります。

更に年間18万円未満の高齢者の方は銀行で支払うことになります。

Q:それで保険料は上がったの、下がったの?
A:4月15日厚労省が提出した資料によれば、7−8割の人にとっては前の国民健康保険に比較して
下がると説明しています。
しかし、上がる要素は次の3つです。
@夫婦の年金収入が年額520万円以上の世帯。
A東京23区や名古屋市、仙台市なろ39の自治体の高齢者。
これらの自治体ではこれまでの保険負担の軽減措置を導入していたが、広域になったことで従来の支援が取れなくなってきたこと。
B子供の被扶養者になっている高齢者。
これまでは保険料負担が無かった方が、10月からは負担を求められ事になります。

Q:でも何だかバタバタしていて良い制度かどうかよくわからないけど。
A:不安を持っている人が多いのは、自分の保険料は上がることはないのか、又少ない年金から差し引かれて生活が更に圧迫されるという不安があるからです。
しかし、保険料を天引きにすることによって収納の手間が少なくなり、確実に保険料を確保できると言うメリットもあることも事実です。
もっと理解を求める広報が大切ですね。

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