第3回は現代のインド経済事情。インドの経済力の実力を見てみましょう。
1. GDP
IMFの調査によれば、2005年時点でインドのGDPは7,720億米ドルで世界第12位。
日本は45,674億米ドルでアメリカに次ぐ世界第2位と比較すると、インド経済はまだまだのような感じがしますが、実はゴールドマン・サックス社の試算によると、インドは2032年に日本を追い抜く勢いだそうです。
それは毎年の成長率の高さです。インドの経済成長は2005年で8.5%(日本は2.6%)、2006年は18年ぶりの高成長で9.4%の高さで、インド政府の目標としては今後5年間で毎年平均9%を目指すとしています。さらに2040-50年頃まで長期的に5-6%成長を予想しており、よってインドはアメリカ、中国に次ぐ世界第3位の経済大国になるという見通しです。
2. 一方インドの経済に懸念が無いわけではありません。
その第1は前にも書きましたインフラの整備が遅れて事です。インドの輸出は24%も伸びているのに、高速道路はまだ少なく、港湾施設も未整備。電力も停電が慢性化。
インド政府の見立てでは今後インフラ整備に約53兆円の投資が必要と言っています。
この数字は近年の日本の税収額に匹敵する金額です。インドの弱点はインフラ整備に回す予算が少なく、2003年のGDPに占めるインフラ整備はわずか3.3%と今後大きな投資を必要とします。
他にインフレや通貨ルピー高によって成長が停滞する可能性があります。
3. 2006年度の産業別成長ではインドの基幹産業である農業の伸び悩み(2.7%)がありますが、製造業やサービス業においは12%以上の成長。金融・保険・不動産でも前年比少し減速しましたが、それでも10.6%と二桁の伸びでした。
4. 色々問題を残していますが、インド経済は今後も順調に成長を続けると見ます。
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