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160.中国のシャドーバンキング問題
(2013.10.28)

前回のコラムで世界経済は中国のシャドーバンキング問題を除いて、回復方向に向かっていると書いた。

唯一世界の棘と言われるシャドーバンキング問題とはなにか。
シャドーバンキング問題とは一般の政府の管理下にある金融機関とは別に、管理手薄の金融機関や企業が発行する理財商品や信託商品などを介してして取引を行う金融の流れをいう。
この資金は地方政府や企業に融資されて、不動産開発やインフラ投資を支えているといるが、中国政府も公式にはその規模を把握できていない。色々な調査機関がその規模を推測しているが、36兆元〜21兆元、対GDP比で69%〜44%と表面化すると激震が走る。

しかし、2008年のアメリカのサブプライム問題と比較すると、その違いは中国の主要銀行は手を染めていないこと、そして中国国内に限定していることだ。サブプライム問題はリスクの高い住宅ローンを証券化して国内はもとより海外にまで販売して、リスクの拡散を図ったことだ。

中国のシャドーバンキング問題は貸付金融が不良債権化しても、中国の主要金融機関が直接影響を受ける訳ではない。中国政府の態勢からして貸し倒れ発生しても、この程度であれば対応可能と見て居るだろう。政府はたとえ問題が顕在化しても他のインフラ事業を推進することによって、問題の希釈を図ろうとするだろう。

従って現状では他の国に影響なしとは言えないが、限定的と考えてよい。
今後の様子を注意深く見守ることが必要だ。


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