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153 アメリカ Fee OnlyのFP大会
(’13/5/23記)
5月5日から14日までFP大会に行って来ました。
大会の名前は”NAPFA Las Vegas大会”。3日半の日程で、朝は7時半から夕方5時半頃までびっしりです。

今年で30周年となるNAPFAのメンバー数は2,600名。その内学生とか、講師業等の方を差引くと2,200名がFee OnlyのFPと言うことです。彼らは大きな法人に所属する事でなくSoloと呼ばれる単独での事務所を持っている人が多いようです。

私はこれまで6回、NAPFAの20倍もの会員数を持つFPAの大会に参加して来ましたが、今回のNAPFA大会はFPAの下部団体ではなく、プロフェッショナルだけの大会です。
NAPFAの会員になるためには、どうしても守らねばならない規定があります。それが”Fee Only”。
Fee OnlyのFPとは、コミッションを受取らないこと。収入は顧客との顧問契約により、顧客から頂きます。これとは反対に金融商品や不動産などの売買時にはコミッションとして受託会社である、
カストディアンと言われるサポート会社が受取ります。(例えば、チャールズ・シュワブとかアメリトレード、アメリプライズと言った会社)。日本で同じような組織は信託銀行がありますが、信託銀行は受託はしますが、FPを支えるバックオフィイス的機能はもっていません。現状では日本のFPの関与する預り資産の規模が小さく、メリットも出ないのでしょう。

なぜコミッションを受けてはいけないのか。それはFPは誰のために業務を遂行するのかと言えば、
勿論顧客の利益を守護するためです。仮にコミッションを受取るとなると、コミッションが高い方を
アドバイスする傾向があるため、いったい誰の為のファイナンシャル・プランニングか分からなくなってしまいます。
プロFPは顧客のために活動するのであって、自分の利益のために活動してはいけないのです。

今回は大会とは別に、Las Vegas近郊で事務所を開いている2名のプロFPを訪問しました。2名ともキャリアは15名以上。顧客数は1名の方は280名とか。最初の相談時までは数十時間を費やし、流れに乗ると次は3ヶ月目、6ヶ月目そして1年目と言う順序で面談を進め、顧客の資産を守る為に十分かどうかを面談して修正をかけて行きます。
顧客との顧問料は1億円までは1%、1億円を越えると0.8%程度が相場のようです。

証券会社のようなブローカー・セールスをしていた方が、独立してFee OnlyのFPになるには3年間程度は収入は少なくなってきますから、蓄えも必要です。
収入はブローカーのほうが良いようですが、上司からセールス目標が与えられそれをこなすので、
電話を掛け続ける日々には戻りたくないとそのFPは答えてくれました。

私達はこうした組織を導入して、顧客利益とFPの自立を促進することを使命だと思っています。


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