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152 又繰り返された金融詐欺事件
(平成25年4月27日)

昨日の新聞に新たなファンド資金が大半消失したと言う事件が報道されました。
又かと言う暗い気持ちになるとともに、これにはファイナンシャル・プランナーが販売に関与していない事を祈るばかりです。
事件は昨年12月に顧客から不審の情報を受けた金融庁が内偵をして、3月に日本法人に立ち入り検査をしたとき、預り資産の大半が消失したらしいと情報を掴んだところから始まりました。

この会社はラスヴェガスに本社をおく、MRI インターナショナル社。病院の診療報酬請求権を商品対象とした金融商品販売目的に1998年に立ち上げました。

代表者はエドウィン・ヨシヒロ・フジナガ。報道によると、同社HPによる預り資産は1,365億円、顧客数8,700人。東京事務所は東京赤坂にあり、責任者は鈴木順造氏。
金商法業者として関東財務局に登録しています。(金商)第1881号。
日本社員を含む全社員数は347人(2012年末)。

主たる扱い商品はMARS(Medical Account Receivable)という、診療報酬のレセプト債を扱う診療保険請求手続が安定しないアメリカで開発された商品です。

今回の特徴はその固定利率の高さにあります。円建てとドル建てがあり、出資額により6.0%〜10.32%の元本保証のような文言を謳い、有名人タレントを広告に使い、大々的に宣伝したとのことです。債券ですから大きな変動はないとは言うものの、このような高い金利があるはずがありません。
アメリカの10年国債金利は現在でも3.4%程度です。(因みに日本は0.59%)

そもそも会社名がインチキくさい。MRIと言えば3次元映像が見ることができる断層映像を可能にする
高価な最新医療機器です。

今回の事件を見つめ直すと、高額投資をした人が多いそうです。それは医療保険を安定商品ととらえていること、出資額が多いほど金利が高くなっていることでしょう。

どうしてこうした詐欺を防げないのか?
先ずは高金利の矛盾に気が着かないこと。財務諸表等の開示がないこと。よって会計監査報告もないこと。1.5億円以上の出資者にはプラチナ会員と称してラスベガス御招待。
販売する側にも高額の初期手数料が手に入ったはず。

では日本の会社ではこうした診療報酬扱いの会社はないか調べて見ました。
約5社くらいの証券会社がネット検索で出てきました。同じ構造ではないかもしれませんが、他に飛び火も懸念されます。


こうした詐欺事件は頻繁に出てくる。
有名なところでは2008年11月に逮捕されたバーナード・マドフ事件。NASDACの会長をしていてねずみ講をして、10%を上回る運用を広告。破綻額は500億ドル(5兆円)とも、650億ドル(6.5兆円とも言われています。

目新しいのは2011年11月、AIJ投資顧問事件。240%の運用利回りを確保すると謳い124社の企業年金から1,984億円を消失させました。

2011年8月には黒毛和牛委託オーナー制度を謳い、民事再生になった安愚楽牧場事件。
債権者38,000人、債権額2,283億円。

金融詐欺は止まる事がない。そもそも私は自分が知らない投資に手を出さない事とアドバイスして来ました。
自分の資産は自分で守るしか方法がない。それには知らない物には手を出さないことしかありません。


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