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147 え?キプロスでペイオフ?
2013年3月25日、久しくその名を聞かなかったペイオフがキプロスで発動されることになりました。

ペイオフとは金融機関が破綻した時、一定額超の預金の一部又は全額が戻ってこない制度です。
現在日本では、個人や法人が一つの金融機関に預金した一人につき元本1,000万円とその利子は保護されることになっています。
この制度はアメリカで作られた制度を真似て導入されたものです。
日本では2010年9月10日、日本振興銀行が破綻した際にペイオフが使われましたが特殊な銀行であったので、世間一般には大きな影響はなかったようです。

しかし、キプロスのペイオフは預金者には大打撃です。
ユーロ圏である同国はECから100億ユーロ(1兆2300億円)の資金調達をしてもらう代わりに、銀行預金から58億ユーロを調達しなければなりません。
キプロスのペイオフは10万ユーロ(1,230万円)を越える預金は毀損します。その割合は全額毀損するとの報道もあり、我が国での経験の比ではないでしょう。

そもそもどうしてキプロスに金融不安が出たか?
その理由はギリシャの国債を購入していたからです。ギリシャ問題は2010年〜2011年にかけて世界、特にヨーロッパの国々を直撃し、スペイン・イタリアが不安状態に陥りました。そして今度はGDP約2兆円の小国で再発した訳です。
キプロスはアイスランドのように金融立国を目指し、法人税を10%と安くして外国法人や富裕層の預金を集めてきました。特にロシアの預金がキプロスの預金の1/3を占めているとの報道です。

富裕層のペイオフ対策としては、金融機関毎に1,000万円づつ分散預金するか、又はスイスのプライベートバンクに預金するかです。スイスのプライベートバンクは資金量が1億円以上必要とか言われていますが、預けられた資金は銀行資産に組み入れられることなく別口で運用されます。
そこが資産の安全な理由でしょう。

ご自分の資産の安全の方法を再考する機会です。

(2013.3.26 小林 治行記)


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