PERから見た主要株式市場

PERから見た主要株式市場

(2018.9.10)

 

⇒ 主要市場の中で現状PERが高いのはナスダック、低いのは上海総合

⇒ ナスダックの中でも大型銘柄で特にPERの高い企業が混在

⇒ 投資判断の一助にするとしても、PERだけの判断は危険

 

PERとは、株価収益率(Price Earnings Ratio)のこと。株価が割安か株高かを判断するための指標として、投資関係関係者は必ず

行うチェック項目。

各市場のPERの推移を比較すると、各市場の”成長期待度”が分かる。

2018年7月現在、主要市場の中で最も高いPERは、米国ナスダックの23.55。13年12月から本年7月までの56ケ月の内、20を

下回った月は4回だけ。13年7月以来6年1ケ月の間, 人気度No.1を維持し続けている。

一方、主要市場の中で最も低いPERは、香港ハンセンの7.53。ハンセン指数は11年8月以来、1回の例外を除き10を割り続けている。

主要市場のPERを比較して見た。

(資料:キャピタル・パートナーズ証券)

 

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PER(株価収益率)の算出法は、株価を一株当たり当期純利益(EPS)で割ったもの単位は「倍」で表示する。

株価が割安か割高かを判断するための指標。株価が「1株当たりの当期純利益(単に1株当たり利益、1株益ともいう)」の何倍に

なっているかを示す指標だ。

例として、A社の現在株価が3,750円、当期純利益(EPS)が250円の場合、PERは15倍となる。同社の株価が12,500円の場合は50倍。

一般的に株価は今後の企業の成長期待が高いほど上昇していく。どこが割高で、どれが割安かは一律の基準はなく、相対的に評価する。

 

次の表をご覧頂きたい。

180917_市場別PER推移(2)

 

 

 

2010年8月から2018年7月までの主要市場のPERの推移だ。

この6市場だけの中で見ても、① トップはナスダックで13年6月から最高倍率を維持していること、② 上海総合は12年7月以来数ケ月を除き、

最下位圏にいる事、③ 日経225は現在NYダウと共に中位に位置していること。

 

9月7日現在の日経225は12.8、株価は22,307円だから一株当たり純利益(EPS)は1,742.7円になるが、日経225そのものが

分割や銘柄入れ替えの継続性を維持するため指数の加減をしており、実数とは乖離がある。

 

ナスダックが全て高いかと言えば、そうではなく一部超人気銘柄が指数を押し上げている。例えば、アマゾン。その指数は177.29

他に動画配信のネットフリックも146.78。しかし、PCのインテルは13.16だ。

NASDAQ 主要銘柄PER

これを見てもナスダック銘柄が全て高いPERとは限らず、一部の人気銘柄が押し上げている。人気銘柄を称して通称「FAANG」、アップル、

アマゾン、グーグル、フェイスブック、ネットフリックスの5社。 昨今はアップルを外して「 FANG」と言う時もある。

 

日本でも東証1部上場企業の中で、50倍以上の企業が115社、内100倍以上の企業が36社ある。(資料:ヤフー・ファイナンンス 本日現在)

 

こうしたPERの見方として、10倍が安くて買いとか、100倍が高くて対象外とは一概には言えないが、PERの高い企業の成長性を期待して

資金が流入してきている。

投資の判断にPERは必要だが、その企業の過去及び将来の成長性、収益性、財務性、新規事業性など色々な分析が必要なことは

言うまでもない。投資は総合判断であり、自己責任の基で行う。

 

(了)

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また、株式発行者の経営・財務状況の変化及びそれらに関する外部評価の変動等により、投資元本を割り込んだり、

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株式発行者の信用リスク:市場環境の変化、株式発行者の経営・財務状況の変化及びそれらに関する外部評価の

変化等により売買に支障を来たし、換金できないリスクがあります(流動性リスク)。この結果、投資元本を割り

込むことがあります。

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また、債券発行者の経営・財務状況の変化及びそれらに関する外部評価の変化等により、投資元本を割り込んだり、

その全額を失うことがあります。一方、債券によっては、期限前に償還されることがあり、これによって投資元本を

割り込むことがあります。

債券発行者の信用リスク:市場環境の変化、債券発行者の経営・財務状況の変化及びそれらに 関する外部評価の

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