NY株式史上最高値 オバマ政権への反発も

NY株式史上最高値 オバマ政権への反発も

(2016/11/19)
 

ドナルド・トランプ氏が第45代アメリカ大統領に選ばれてから、10日が経った。世の多くが、ヒラリー・クリントン氏が勝利と予想

していたが、大逆転だった。小生もまた然り。選挙前のシナリオはクリントン氏勝利⇒株式は緩慢な上昇、トランプ氏勝利⇒1000㌦

~1500㌦(円)の大暴落、と予想していた。しかし、開票日の日本時間9日朝10時半頃からトランプ氏が優勢と言われだすと、

流れが一気に変わった。その日の終値は前日比▼920円。うろたえが見える。それから約半日後、NY市場が開いた。

しかし、大暴落どころか、逆に徐々に競り上がっていく。こうした現象は幻か?選挙の動向を見過ごし、又株式市場の動向も

見逃していた。市場は安定ではないが、トランプ政権下の経済・株式市場を予測してみる

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トランプ氏が選挙前に公約として掲げていたのは、インフラ投資、減税、保護主義的通商政策、移民対策、金融規制緩和、医療制度、

エネルギー・環境対策、強いアメリカ等となっている。

 

1. トランプ政策とトランプ関連銘柄

1) インフラ投資

インフラ投資を拡大させ、道路、橋、鉄道、トンネル、港、空港等に10年間で総額1兆㌦規模の投資を行う。

早速これに反応したのは、大和工、タダノ、信越化学、太平洋セメント、コマツ、トプコン、ショーボンドなど。

2) 減税

法人では連邦法人税率を35%⇒15%に引き下げる。目的は法人税が高く、事業所を海外に移転させた企業の本国還流だ。

個人所得税では適用区分を現行の7段階から、3段階(12%、25%、33%)に移す。日本の場合は、平成27年から(5,10,20、

23、33、40、45)%の7段階となり、特に最高税率はそれまでの40%⇒45%に引き上げられた。

10年間で4.4兆ドルの減税規模。

3) 保護主義通商政策

・ TPP交渉から撤退

・ 中国を為替操作国に認定

・ 北米自由貿易協定(NAFTA)の見直し

・ 国内の雇用、賃金を取り戻す。

これまでNAFTAを利用し、メキシコに工場を建設し、アメリカに輸出してきた企業は方針の見極めが必要になるかも知れない。

マツダ、小糸製作所、東レ、日産など。

4) 移民対策

不法入国者の送還。メキシコとの国境に壁を作り、米国人に雇用機会の回復。

5) 金融規制緩和

ドッド・フランク法の撤廃。2008年のリーマンショック時、金融機関の破綻が海外に波及し、世界的な金融・経済危機に

拡大したことを受け、10年7月に成立。金融機関や金融取引に対する規制を強める法律。

追い風を受けそうな企業は三菱UFJFG, 野村HD, 第一生命など。

6)  医療制度

オバマケアーを廃止し、新制度を検討。

7) エネルギー・環境対策

・パリ協定から撤退。

・石油、天然ガス、石炭の国内生産を増加。

8) 強いアメリカ(軍事

・日本に自己軍事力強化を要請

・南・東シナ海へのコミットメント強化

三菱重工、IHI, 豊和工業、東京計器、新明和など。

 

2. 株価上昇は本物か

開票日に日本株式市場は、▼920円(-5.4%)だったのに、震源地であるアメリカは逆に278円(+1.5%)のアップ。

為替も開票中は一時101円だったが、最後は105円と下げ、1日に4円も乱高下する激しい日であった。

翌10日は、NYダウ上昇の結果を受け、日経225は+1,093円(+6.63%)と反発した。

予断を許さない中でNYダウはそれから7連騰を記録し、史上最高値を記録する。

大方が下げと予想したイベントが、どうして真逆に大幅に上げるのか。

日本としては、株式の反発に文句の言う人はいまい。しかし、その基盤が良くわからないでは、いつ下げに転じるかも天に任せだ。

 

小生は、株式市場の上昇はトランプ氏の選出だけではないと思う。つまり、オバマ政権に対する反発も内在するのではないか。

初めてのブラック系大統領の誕生と絶賛され、ノーベル平和賞を受賞したオバマ大統領。情緒的なナイーブな問題には反応が早いが、

剛腕的な、軍事的な問題にはたじろぐ政策をしてきた。その結果が、今のシリア問題・難民問題に拡大し、クリミア半島であり、

南シナ海での混乱の根本的な要因ではないか。あの時、オバマ大統領が積極的に動いていれば、と思うことが多々ある。

アメリカは世界の警察官にならない!」と言う政策の結果が、第3国の躍動を刺激した。

又、アメリカ国内で移民を受け入れをしてきた結果、今後20年程で白人の割合は5割を割るそうだ。つまりアメリカ国内でも

底辺の部分の労働は移民に依存する結果、白人低所得者層の貧困化が広がっている。

そうした鬱積した反動ではないか。

 

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今後のイベントとしては、11月30日のOPEC総会で原油産出量の総量規制が纏まるか否かが論点。

次が12月14日のFOMCの政策金利値上げのテーマ。値上げはすでの90%織り込まれている。

 

トランプ氏の大統領就任は1月20日だ。

 

(資料)

・みずほ銀行調査部、三菱UFJリサーチ&コンサルティング、日経新聞、日経ヴェリタス

(了)

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株式発行者の信用リスク:市場環境の変化、株式発行者の経営・財務状況の変化及びそれらに関する外部評価の

変化等により売買に支障を来たし、換金できないリスクがあります(流動性リスク)。この結果、投資元本を割り

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