EU離脱問題 どちらにしろ円高傾向は続く

EU離脱問題 どちらにしろ円高傾向は続く

(2016/6/22)

 

イギリスのEU離脱問題はいよいよ明日6/23、国民投票の日を迎える。この国民投票、残留派、離脱派それぞれの勢力は

50:50で最後まで分からない。残留派は経済的には離脱のリスクを大きなマイナスと数字に置き換えて訴えているが、

離脱派は愛国主義、大英帝国主義が見え隠れする。更に離別すると、その後にはスコットランド離脱問題が待っている。

ラグビーの国、イギリス。ノーサイドとは行かないようだ。その後の通貨はどうなるか。

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ポンド/円の為替はこの所、敏感だ。5/31 160.33円、6/10 152.43円、6/20 149.56円と円高傾向を示す。

それも、イギリスの世論調査が発表される度に動く。残留派優位と言われているが、数日前にはわずかながら

離脱派が優位になった。

 

1 残留は金融市場にメリット大

イギリスは、かつて70年台には「英国病」と揶揄される程経済的に行き詰まった時期があった。1973年、前身の

欧州共同体(EC)に加盟してから43年。イギリスは共同体を利用してきた。

人口5億人の単一市場の貿易だ。イギリスの15年の貿易相手国はEUが49%、第2位が米国が11%、第3位が中国

7%だ。(資料:日経) 更に金融機関の多くがロンドンに本部を置く。

離脱すれば、欧州のそれぞれの国と貿易・金融・流通・商業・民生等など果てしない交渉が待っている。

それもEUの他の27ヶ国と個々に・・・。その間の損失は計り知れない。更に金融の雄としての地位も危うい。

当然経済は赤字になると予想される。新聞予想ではGDPで-5%とか。

どのように計算しても離脱は損失が大きい。

 

2. 離脱派はナショナリズム

大きな問題は移民問題にストップがかけられないこと。特に東欧がEUに加盟してから東欧諸国からの移民が増え、

イギリス国民の仕事を侵食し始めたと騒ぎ始めた。また、移民のグループは既に100万を超え、イギリス国の中で

元の自国の教育や伝統を守ろうとする動きをする。

「イギリスと言えば世界第5位の経済大国なのに、なぜベルギーや弱小国の言うことを聞かなくてはならないのか?」

(NHKの報道特集より)と言った鬱積もある。

NHK特集によれば、離脱派の多くに共通するある言葉がある。それは”common-wealth“。オリバー・クロム

ウェルによる革命政府の名称が出てくることだ。

つまり、イングランド共和国を頂点としたかつての「大英帝国」の復活は、愛国者には快い言葉かも知れない。

common-wealth共和国は53ヶ国あるという。カナダ、南ア、オーストラリア、インド等など。

EU28ヶ国よりもcommon-wealth 53ヶ国のほうが宗主国として、気持ちは良いだろうとは推測はつく。

経済は別として。

こうしたところに離別したいとする鬱積した別の理由がある。

 

3. 離別が決まったとしても、次の幕が来る

仮に離別が決まったとしても、それでノーサイドとして終わりではないようだ。それは北部のスコットランド。

今年のラグビーのW杯の参加チームはイギリスチームと言うチームはいない。イングランド、スコットランド、

ウェールズ、アイルランドの4つ。つまり、イギリスは一つではない。

アングロサクソン系のイングランドと、ケルト系のスコットランドの長年の恩讐の恨みが噴出しかねない。

スコットランドは欧州と親しい。つまり残留賛成派が多い。仮に離別が決まったとしても、スコットランドは

イングランドから離別しようとする動きが復活しそうだ。

スコットランドだけではない。欧州の中ではスペインのカタルーニャ地方(バルセロナが中心地)も勢いづく。

動揺は続く。

 

4. どちらにしてもイギリス通貨は不安定

どちらにしても、イギリス経済は安定は望めない。円高傾向が続くということだ。

株価も動揺は続く。欧州の不安定がギリシャ問題の再燃や、中東移民に更に不安定をもたらす。

株価のボラティリティーは1年では収まらない。

(了)

 

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