消費増税先送りか

消費増税先送りか

(2016/3/18)

 

3/8 08:50 ’15年10-12月GDPがこれまでの-1.4%から、-1.1%に上方修正された。上方になったとは言え、依然マイナスだ。

政府の16年度経済見通しは物価変動分を除き、1.6%成長だ。日銀黒田総裁は、原油安の影響もあり物価インフレ目標2.0%を本年末から

来年末に延期した。それとしても、1.6%は生きている。

 

3/14のBSフジのプライムニュースに、政府の内閣官房参与である浜田宏一氏と本田悦朗氏、それに慶大教授の土居丈朗氏の3人が出演され、

当面の経済問題、特に消費税延期の可否について議論された。 内閣官房参与のお二人は誰もが認める安倍総理の経済ブレーンである。

その二人が、17年4月からの消費税2%アップは延期するべきと明言した。 土居教授は予定通りの増税実行を提言した。

 

3/16から著名なアメリカの経済学者を招いて、「経済分析会合」を始まった。その一番手はコロンビア大のジョセフ・スティグリッツ教授。

「日本経済はそう堅調ではではない。消費者物価の上昇率も目標の2%を大きく下回る。賃金も十分上向いていない。世界経済も 非常に弱い。

今は消費税を引き上げるべきではない。」と語った。 続いて17日にハーバード大学のジョルゲンソン教授が、「法人税から消費税に移行する

ことは重要だ」と述べ、消費税率の引き上げが必要だ提言した。又元日銀副総裁の岩田一政日本経済研究センター理事長は、成長戦略への

取り組みへの指摘はあったが、消費税への提言はなかった。 22日には、グルーグマン米プリンストン大教授を招く。

 

さて、こうした御進講を聞いて、総理はどう決断するのだろうか。そもそも、これは何の為に開催されるのか。政府は5月26-27日の伊勢志摩

サミットのテーマ作りと言っている。それもあろうが、世間はそれだけとは見ない。

3/17朝日新聞の社説、(経済分析会合は)「増税先送りの布石か

3/18読売新聞の社説 「経済分析医会合 消費増税再延期の地ならしか」

更に、同新聞同日1面トップで「消費増税先送り検討 首相経済減速に配慮 衆参同日選挙も視野」と打ち出した。

読売によると、決断の時期は伊勢志摩サミットの前後。7月10日投開票の日程が濃厚と予測している。

 

問題は、経済の持ち直しか否か。16年1-3月のGDP速報値が5月18日、伊勢志摩サミットが約1週間後に開催される。1-3月の速報値も

10-12月に続き、マイナスになることが懸念される。仮にそうとしても、サミットでは首相は何かサプライズを出したいはず。 それが消費税

増税延期なら株式市場にも効果は十分に出よう。日本の本気度もアピールできる。 更に、憲法改正を狙う首相としては、国会議員議席の三分の

2の獲得を狙う為に、衆参同日選挙は手段とすることは、この上なく戦い上手と映り、 戦いの錦の御旗に消費増税延期を掲げるというシナリオ

かも知れない。 2%消費税を無理して上げて、個人消費を更に冷やして消費マインドを冷やし、税額を落とす方こそ賢いとは言えないからだ。

 

(追記)

3/19、日経新聞も1面で「経済失速、元も子もない 首相、消費増税延期に含み」と首相の判断幅が、時間経過と共に徐々に狭まっている

ことを想定させている。

 

3月の株価動向を決める「投資部門別売買代金動向」によると、年初から外国人の売りが4兆3425億円年金基金の窓口となる信託が買い

1兆9127億円。更に昨今ソフトバンク社が株主還元策として自社株買い7000億円というように自社株買いブームになっている。その総額は

2016年は約5兆円を見込まれるが、年初からは4089億円とまだ少ない。

これでは年金基金の利益が、外国人に流れていると言えないだろうか。

 

(了)

 

 

本情報は当所の業務内容に掛かる投資情報の提供であり、記載されている情報は、予告なく内容を変更する場合があります。

投資に関する最終判断は、ご自身の判断と責任において行って下さい。

 

【金融商品取引法第37条(広告等の規制)に掛かる留意事項】

 商号等   コバヤシ アセットマネージメント

所長 小林 治行

投資助言業 関東財務局長〈金商〉第2841号

加入協会  一般社団法人 日本投資顧問業協会

 

手数料等

投資助言の契約の前には、「投資顧問契約の契約締結前交付書面」を良くお読み頂き、ご納得のうえご契約頂きます。

報酬等は「投資顧問契約の契約締結前交付書面」又は、ホームページの投資助言業のページをよくご覧ください。

 

投資リスクについて

1. 株式

価格変動リスク: 株価の変動により投資元本を割り込むことがあります。

また、株式発行者の経営・財務状況の変化及びそれらに関する外部評価の変動等により、投資元本を割り込んだり、

その全額を失うことがあります。

株式発行者の信用リスク:市場環境の変化、株式発行者の経営・財務状況の変化及びそれらに関する外部評価の

変化等により売買に支障を来たし、換金できないリスクがあります(流動性リスク)。この結果、投資元本を割り

込むことがあります。

2. 債券

価格変動リスク: 債券の価格は、金利変動等により上下しますので、投資元本を割り込むことがあります。

また、債券発行者の経営・財務状況の変化及びそれらに関する外部評価の変化等により、投資元本を割り込んだり、

その全額を失うことがあります。一方、債券によっては、期限前に償還されることがあり、これによって投資元本を

割り込むことがあります。

債券発行者の信用リスク:市場環境の変化、債券発行者の経営・財務状況の変化及びそれらに 関する外部評価の

変化等により売買に支障を来たし、換金できないリスクがあります(流動性リスク)。この結果、投資元本を割り

込むことがあります。

3. 外国株式・外国債券

為替変動リスク:外国株式や外国債券等の外貨建て金融商品では、為替の変動により投資元本を割り込むことが

あります。

4. 外貨建て証券

為替変動リスク:投資対象が外貨建て証券(例えば海外市場に上場にしている株式、外国政府・公的機関・企業等が

発行する債券)では、前述の株式、債券のリスクに加え、為替の変動により、投資元本を割り込むことがあります。

例えば、売却・契約時に投資時期よりも、円安・円高で手元に戻る円貨の額が変わり、円高の場合には投資元本を

割り込むことがあります。また発行した国や地域、適用する通貨発行国の経済状況や政治状況の変化等により売買に

支障をきたし、換金ができないリスクがあります。

(流動性リスク)

5. 投資信託(上場投資信託=ETFを含む)

投資信託は、その投資信託が投資としている資産(例えば株式、債券、商品等)により、価格変動リスク、信用

リスク、流動性リスク、為替変動制リスクを内包しています。

このため、投資元本を割り込んだり、換金ができなかったり、その全額を失う事があります。

6. 投資する国や地域について

カントリーリスク:投資した国や地域により、その国や地域の政治・経済・社会情勢の不安定化や混乱などで投資し

た資金のすべて、又は一部が回収できないことがあります。

戦争や内乱、経済危機がある又は予見される国や地域に投資することは各リスクが極めて高くなります。

 

▲このページのTOPへ